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ヤフー株式会社にリリース間近と噂の「プライベートDMP」と「プレミアムDSP」について聞いてきました!(前篇)

2014.04.01 17582view
(アイキャッチ)【ヤフー記事】前篇

昨年、ヤフーさんは新たなマーケティングソリューション事業として「プライベートDMP」、「プレミアムDSP」、「ビデオ広告」、「データサイエンティスト」の4つの事業展開を発表されました。

本日はその中でも「プライベートDMP」と「プレミアムDSP」について詳しく聞いて参りました。

本日はありがとうございます。まずはじめに高田さんは日本のマーケティングの現状をどのように見られていますか?うまくいっている点、課題だと感じている点などお聞かせください。

 まず、うまくいっている点は、マーケティングテクノロジーを活用しよう!という雰囲気が作られてきた事です。これは非常によいことだと思います。

 しかし、実はまだまだ課題だと思っている部分のほうが多くて、この数年のディスプレイ広告市場において考えてみると、先ほどのうまくいっている点の裏返しなのですが、テクノロジーがかなり先行し過ぎていたことは大きな課題だと思っています。マーケティングをやっているはずなのに、いつの間にか「テクノロジーを覚える事」が「マーケティング」になっていて、「誰のために何を伝えるか」が本質なのに、効率だけの話になってしまいました。実はその原因の1つには、私たちヤフーが「Yahoo! JAPAN」という日本最大のメディアを持っているのにも関わらず、テクノロジーの活用方法が保守的になってしまい、きちんとした形を示していなかったことがあげられます。今回のプレミアムDSP、プライベートDMPのリリースは、実はヤフーなりの「これが正しいDSP、DMPだ」と知らしめたかったという想いもあるんです

先行しているといわれてるアメリカの市場と比べるとどうでしょうか?

 高田さん2そもそも私はアメリカのディスプレイ広告のマーケットが良い形だと思っていないんですよ。16年前にディスプレイ広告が出来た時代、プレイヤーは「広告主」と「メディア」だけでした。しかし16年経ってアメリカの現状を見てみると、テクノロジーがあそこまで散らばってしまった。もちろん専門的な会社がたくさん生まれて、テクノロジーが進歩した事は良いことなのですが、1つ1つのテクノロジーが難しいので広告主がついてこれてないんですよね。ただ、その個々の専門会社は事業として成立させなきゃいけないので利益を作りにいくわけです。そんな状態でふと立ち戻って見てみると、本当に全体最適は出来ているのかと疑問に思うことがあります。広告主の予算は正しく使われているのだろうか?と。そこに大きな課題があると思っています。

そのような背景の中、今回プライベートDMPとプレミアムDSPを発表されました。大きな戦略のなかで、プライベートDMPとプレミアムDSPの関係性からお聞きできればと思います。

DSPとDMPを両方やっている場合には大きく2つの関係性がありますよね。1つ目は「このDSPにはこのDMPがついてきています」という付加商品として存在しているパターン、2つ目は「このDSPはどのDMPを使っても良いです、このDMPはどのDSP使っても良いです」という独立した2つのサービスとして存在しているパターン。この2パターンだと、今回のヤフーさんのDSP、DMPのセットはどちらのパターンなのでしょうか?

 弊社のDSP、DMPはもちろん自社の製品なので、お互いの相性は良く作っていますが、基本的にこれらは独立した2つの製品です。つまり後者ですね。お互いがお互いの競合製品と連携することも十分ありえます。2つのサービス、2つの事業だと思ってください。

では、DMPの方から詳しくお聞かせください

今回リリースされたプライベートDMPについては、ずばり、これを使うことでお客さまはどのようなことが実現できるのでしょうか?

 プライベートDMPとは、お客さま自身がお持ちの資産であるデータを、効果的にマーケティングに活用できるようにするツールです。弊社のプライベートDMPのベースとなっているのは、Yahoo!タグマネージャーなのですが、お客さまはそれを軸に膨大なデータを蓄積して、分析を行い、その結果をDSPやメールなど、様々なアウトプットへ活用できるようになります。

なるほど。コンセプトは既存のプライベートDMPとあまり変わらないように思えるのですが、他社のプライベートDMPとの違いは何でしょうか?

こだわりが2つありまして、1つがリアルタイムなことです。データは時間が経つごとに腐っていきます。データの価値が一番高いのは、何かが発生したその時なんですね。なので、データを収集した瞬間に使えるようにしたくて、弊社のプライベートDMPは集めたデータを0.2秒以内にDSPなどのアウトプットに使えるようにするようにしています。実測だと0.05秒くらいです(笑)

 2つ目の大きな特徴が、Yahoo! JAPANのデータが使えるところです。どちらかというと、今まではターゲティング広告のような広告商品にしかYahoo! JAPANが持っているデータを提供できていなかったと思います。これからは、Yahoo! JAPANが持っているデータそのものを、広告以外でも幅広く使ってもらいたいと思っています。

2つ目のところがよくわからないので少し踏み込んでお聞きしたいのですが、「Yahoo! JAPANのデータ」とは「Yahoo! JAPAN の会員データ」のことを指してるのですか?たとえば、Yahoo! JAPANでお持ちの「この人は男性である」というデータに、お客さまがお持ちの「この人は3000円の商品を買った」という独自のデータを掛け合わせて使えるようにするとかそういったことでしょうか?

 そうですね、そんな感じです。ただし、使えるのは属性データだけではなくて、たとえば「Yahoo! JAPANで〇〇と検索した」といったYahoo! JAPAN内のサイト上で行った様々な行動データも活用できるようにしたいと思っています。

すごいですね(笑)まさにヤフーさんにしかできない戦略ですね。自社のデータにヤフーさんのデータを組み合わせて作った新しいデータをマーケティングに活用するツール、それがヤフーさんが出されるプライベートDMPであると?

 高田さん1その通りです。最も大切なことは、「さてこのデータをどう使いますか?」ということです。通常は何か広告に使おうと思うのですが、それをリテンションを上げるためにメールマーケティングで活用することだって可能なはずです。ですから冒頭に申し上げた、プレミアムDSPとプライベートDMPは別物という解になるわけです。プライベートDMPは昔にあったCRMに近い概念ですね。データソースはネットに限ったものでもないので、メディアがお持ちのリアルの行動データや、JavaScript以外のAPI、アプリのSDKから取得したデータの口も用意して、それを弊社データとマッチングして使えるようにします。DMPはDSPのサブセットではないと思っているので、重要かつ基本となるのはDMPです。DMPで蓄積したデータの活用方法の1つがDSPであり、その中の1つが弊社のプレミアムDSPであると考えていただければ嬉しいです。

なるほど。ちなみに広告とメール以外に、アウトプットとして用意されているものはありますか?

 最初はそうは言っても広告とメール、あとはSFA(セールスフォースオートメーション)などでお使いいただくのがわかりやすいと思います。しかし個人的にはメールに期待しています。今の日本のメールマーケティングは課題が多いなと思っていまして・・・。

 今のメールマーケティングは、企業が積極的になりきれていない部分があるかと思っています。それはユーザーが企業から送られてくるメールに良い印象を持っていないからです。それはなぜかを考えますと、メールは配信コストが安いために、ユーザーの実にならないメールも一斉に配信されているのが現状で、ユーザーはメールを邪魔なものとして認識しているからです。そこでプライベートDMPを活用し必要な情報のみをメールで送ることで、ユーザーが持っているメール=邪魔なものといった印象を払しょくすることが出来ると思っています。それはユーザーにとっても業界にとっても価値のあることだと思うので、是非やっていきたいですね。

ところで気なるお値段の話なのですが(笑)どこで儲けていかれるのですか?

 データの保管やデータ連携は基本タダにしようと思っています。サーバー代はうちが負担します。お客様には新しく作ったデータをマーケティング活動の何かに利用したときにお金を払っていただければいいと思っています。

すでに使っているメディアはあるのですか?

 まだ開発中です(笑)たぶん最初は弊社のメディアで実験すると思います。近々お見せできると思うんですが・・・。

お話聞いているとすごいですよね。膨大なYahoo! JAPANのデータを他社が使えるようになるのですから!

ありがとうございます。しかしそこには課題もあって、弊社のデータはそこそこ膨大なので(笑)、扱うのがけっこう大変だと思うんです。ですから、弊社のプライベートDMPでは、ただツールやデータを提供するだけではなく、もれなく運用するデータサイエンティストによる分析とコンサルティングサービスも提供する。これが4つの新たな発表の中の1つ「データサイエンティスト」という部分です。プライベートDMPというツールだけお渡ししても、活用できなければまったく意味がないので、ヤフーで分析リソースを用意して、お客さまが新しい人を雇わなくても良いようにしようと思っています。

しかしプライベートDMPというツールも提供して、かつ人材も提供するとなると、ヤフーさんのコストも膨大ですよね?まずはアカウント数を絞ったりするのでしょうか?どういったクライアントを想定しているのですか?

 まずは、大きいクライアント様から使っていただこうとは考えています。ただ、プライベートDMPは比較的ライトに作ったつもりなので、最終的にはオンラインからご提供できるようにしたいと思っています。こう言うと陳腐化しちゃいますが、リターゲティングの難しい版くらいのことであればどんどんオンラインで使っていただければいいと思うんです。一方で統計的に大きな分析などをやる場合は、データをたくさんお持ちの大きいクラインアント様が対象になると思いますので、その場合は弊社のデータサイエンティストを活用いただければよいのかなと思います。調べていくうちに分かってきたのですが、データを使ってやりたいことの8割くらいはシンプルなルールできるので、四則演算はメディア様にやっていただいて、統計的にやる部分はお手伝いします、という感じです。

後篇は「プレミアムDSP」と「スマートフォン広告」に関してのインタビューです!

(アイキャッチ)【ヤフー記事】後篇

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