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2012年も残すところわずかになりました。
アドテク業界は今年も沢山のニュースがありましたね。
10月に「2012年版カオスマップから学ぶ!アドテク業界におけるこの1年の変化」という記事でも取り上げましたが、本当に日々刻々と変化しているのを感じます。
そんな中、この1年を振り返ってみて感じることのひとつとして、“スマートフォンの一層の拡大”が挙げられるのではないかと思います。
世界のスマートフォン普及予測(シードプランニング調べ)によると、2016年には単年度の販売台数が12億台に達すると予想、人口普及率で50%近くに達する見込みとされています。
ちなみに国別では、アメリカが人口普及率100%に達し、英国では92%、ドイツ、フランスが78%、日本では70%を超えると予想されており、本当に勢いを感じますよね。
(世界のスマートフォン普及予測(シードプランニング調べ))
また、2011年の日本の広告費(電通調べ)において、インターネット広告費は、8,062 億円(前年比 104.1%)、その中でスマートフォン向け広告費は急速に拡大し337億円となっていて、2012年もその規模が大きく拡大することは間違いなさそうです。
そんな急速に伸びるスマートフォンの成長を背景に、今回は、来年以降の活発な動きが予想される「リッチメディア広告」について、今年最後のまとめをしたいと思います!
リッチメディア広告とは
まずはリッチメディア広告とは何か、見ていくことにします。
リッチメディア広告とは
- 従来の文字や静止画に加え、動画や音声などを用いた情報量豊かな広告
リッチメディア広告の種類
- エクスパンド広告:マウスの動きに反応して拡大する広告
- インタースティシャル広告:Webページを移動する間に挿入される広告
- フローティング広告:Webページ上を浮遊する広告
- ビデオ広告:映像と音声を利用する広告、動画広告
など
※リッチメディア広告に関しては、アメリカIAB(Interactive Advertising Bureau)がガイドラインを設けているので、参考に確認しておくといいかもしれません。
さて、このリッチメディア広告ですが、どのくらいの効果が期待される広告なのでしょうか?
先日Media Mind社が発表したレポートでは、
リッチメディアの集客効果は3倍、ビデオとの組み合わせで6倍。
クリック後に広告主のサイトを訪問するユーザーの数は、スタンダードバナーと比較してリッチメディア広告は4倍、リッチメディア広告とビデオを組み合わせた場合は9倍にという数字が報告されています。
(Media Mind社発表のレポートより)
先日弊社も、SSP「Fluct」においてGoldSpot Media社とリッチメディア広告における提携をしましたが、GoldSpot Media社においても、通常のバナー広告に比べ収益性が5~6倍高いという実績も出ているようです。
(GoldSpot Media社の報告より)
また興味深い調査としては、今年10月に発表されたサイバー・コミュニケーションズ社による「ニューロテクノロジー等を活用したインターネット広告に関する自主調査があります。
こちらはでは、リッチメディア広告は通常の Flash 広告よりも高い好感度を持って接触され、高い興味喚起効果があるだけでなく、非常に高い記憶への影響度(今回は 7倍)があり、認知拡大や心理変容に大きく寄与するという結果が発表されています。
こうした報告を見るに、リッチメディア広告は効果の高い広告として広告主から期待され、掲載するメディア側にとっても、収益性だけでなく、ひとつのコンテンツとして魅力的ですね。
アメリカにおけるリッチメディア広告の成長
それでは、アドテク先進国であるアメリカではどのような状況なのでしょうか。
2008年時点で、「今後5年で最も成長率が高いネット広告はリッチメディア/動画広告」と予測されていたわけですが、今年10月にForrester社が発表した調査結果によると、2012年のオンラインディスプレイ広告は120億ドルになる見込み、そしてリッチメディア広告(ビデオを除く)は約50億ドル、ビデオ広告は約30億ドルと大きな数字を占めています。
さらにForrester社は2017年までにオンラインディスプレイ広告で280億、リッチメディア広告(ビデオを除く)は約110億ドル、ビデオ広告は約100億ドルと予想しており、まさに右肩上がりな状況です。
(Forrester社の調査結果より)
アメリカにおけるこうした成長を見ると、やはり日本においてもその流れを追随していくようなイメージが沸いてきます。
2012年国内におけるリッチメディア広告関連の動き
今年見られたリッチメディア広告関連の動きを、各社プレスリリースを元に振り返りたいと思います。
まず今年大きな話題を呼んだニュースのひとつとしては、ヤフー社とMedia Mind社間における業務提携が挙げられるのではないでしょうか。
アメリカの Digital Generation 社の傘下であるMediaMind社 は、世界 75 ヶ国、11,500 の媒体で約 4,200 のメディアと広告制作会社にサービスを提供しています。
もともと日本には2001年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム社との独占契約で参入していました。
ヤフー社との提携の後にサイバー・コミュニケーションズ社とも提携をしています。
2012年の動き-MediaMind社の提携
そして、今年日本で多くの提携を進めたのがGoldSpot Media社です。
アメリカのシリコンバレーに本社を置き、アジアでは日本のほか中国・韓国でサービスを展開しています。
2010年にサイバー・コミュニケーションズ社と提携していましたが、今年になってmotionBEAT社、Zucks社、そして弊社adingoと提携をしています。
2012年の動き-GoldSpot Media社の提携
またモバイルにおいてリッチメディア広告を生成、配信、計測するツールのパイオニア的存在であるMedialets社は、2月にアイメディアドライブ社とともにサービス展開を開始しています。
2012年の動き-Medialets社の提携
そのほかCrisp Media社が7月デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム社と提携し、スマートデバイス向けリッチ広告配信プラットフォーム「Crisp Engage™」の提供を開始しています。
2012年の動き-Crisp Media社の提携
2012年7月:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムと提携
こうした提携周りの動きが多い中で、自社サービスとして、9月にオプト社がスマートフォン向けリッチメディア広告「OPTRA(オプトラ)」を出しています。
2012年の動き-提携関係を除く
2012年9月:スマートフォン向けリッチメディア広告「OPTRA」提供開始(オプト)
以上が2012年における日本国内の動きですが、昨年の段階で国内広告事業者との提携を行っった企業や、日本展開している企業に買収された企業があるので、ここで補足しておきたいと思います。
Celtra
⇒2011年10月にcciと提携しADJUST向けに実装し商品化
Sprout
⇒2011年8月にInMobiが買収
羅列してみると、国内の各社がリッチメディア広告周りの動きを始めた2012年という印象を受けますね。
2013年は一体どんな展開を見せていくのでしょうか。
引き続き注目していきたいと思います!
以上で2012年のアドテク関連記事のまとめ更新は最後になります。
今年も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!
来年も気になるアドテク情報をウォッチしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!!
“来年以降の動きが気になる!「リッチメディア広告」の2012年振り返り” への0件のフィードバック