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理解が進む!パブリッシャー向けネイティブ広告の基礎(後編)-「インフィード型」「レコメンドウィジェット型」のネイティブ広告活用法から媒体社、広告主の現場の声まで-

今回のテーマは「ネイティブ広告」です。前編では、ネイティブ広告の成り立ちや定義から取引方法までを解説しました。後編となる今回は、ネイティブ広告として普及が進んでいる「インフィード型」と「レコメンドウィジェット型」の活用方法を中心に、従来のバナー広告とどのように使い分けられているのかや、実際にネイティブ広告を導入しているメディア、広告主の感想をお伝えします。

前編はこちらから

インフィード型ネイティブ広告とは

まずは、インフィード型ネイティブ広告(以下、インフィード広告)がどのように配信されているか事例を用いてご紹介します。

インフィード広告はニュースメディアやSNSなどのフィード型のコンテンツを持つメディアで導入されています。インフィード広告のオーソドックスな実装位置は、メディアのトップページの記事一覧の間や、コンテンツを読み終わったユーザーが次に目にする関連記事やおすすめ記事一覧の間です。

従来のバナー広告は広告のサイズがある程度決まっていることもあり、コンテンツデザインに広告が合わず、ユーザーの目に入らなかったり、邪魔なものとして認識されてしまう場合がありました。そこで、コンテンツデザインに馴染ませたインフィード広告を採用することで、ユーザーがコンテンツを閲覧する導線上に広告が表示されるため、ユーザーに違和感を感じさせずに広告を目に触れさせることが可能になります。

 また最近は、上図のような横長のフィードだけではなく、サイトのコンテンツフィード自体のデザインが複雑化しているので、インフィード広告のデザインも様々なバリエーションが出てきています。

例えば下図のようなオリジナルデザインです。大きめのサムネイルが横並びになっているフィードに対応したデザインや、フィードのサムネイルサイズは踏襲しつつ、複数の画像を組み合わせることによって画像による訴求を可能にしたデザインがあります。このようにインフィード広告は、従来の規定サイズの決まったバナー広告とは異なる汎用性の高いフォーマットで、使い方によってユーザー体験を損なわずにマネタイズが可能な優れた商材です。また、文字依存の高いネットユーザーに向けてテキストでのアプローチも可能となるため、ユーザーの興味・関心を引くことができる広告商品として期待されています。

レコメンドウィジェット型ネイティブ広告とは

次にレコメンドウィジェット型ネイティブ広告(以下、レコメンドウィジェット)について解説していきます。レコメンドウィジェットとは、メディア内の記事下に設置されているおすすめ記事や関連記事を表示するツールの一種で、精度の高いおすすめ記事や関連記事の表示とデザインを併せネイティブ広告を配信するウィジェット型のツールのことを指します。従来は記事のレコメンドツールとしてユーザービリティを向上し、回遊率を上げることを目的として利用されてきたレコメンドウィジェットですが、現在はレコメンドウィジェットの一部を広告枠にして、回遊率アップとマネタイズの両方を行うことが可能になりました。また、レコメンドウィジェットは記事レコメンドとマネタイズだけに限らず、自社広告を掲載したり、純広告として掲載しているスポンサードコンテンツへのユーザー誘導のために利用されることもあります。以下に、メディアの目的別のレコメンドウィジェット利用方法をまとめてみます。(fluctがメディアに提供しているlogly社のレコメンドウィジェットを利用した想定で記載しています)

  1. ユーザー回遊率の向上
  2. 広告収益の向上
  3. スポンサードコンテンツへの誘導
  4. ユーザ分析

目的1:ユーザー回遊率の向上

レコメンド事業者によってロジックは様々ですが、ユーザーの興味・関心のある記事をウィジェット内に表示して回遊率向上を促進させるもの(インタレストマッチ)や、元記事との関連性の高い記事をウィジェット内に表示して回遊率向上を促進させるもの(コンテキストマッチ)などがあります。メディアの方向性やユーザー属性によって使い分けることで1ユーザーあたりのページ閲覧数増加に繋がります。

目的2:広告収益の向上

レコメンドウィジェット内に配信されるネイティブ広告は、レコメンド記事と同じようにインタレストマッチやコンテキストマッチのロジックで配信されるため、クリック率やコンバージョン率が高い特徴があります。

目的3:スポンサードコンテンツへの誘導

ディスプレイ広告枠だけでは記事広告やタイアップ広告などの純広告への誘導が足りていないといった悩みを抱えるメディアも多く、レコメンドウィジェットの広告枠を純広告への誘導枠として使って頂いている場合があります。キャンペーン毎に細かい目標誘導数などを設定して、純広告への誘導を最適化する機能が備わっているレコメンドウィジェットもあります。

目的4:ユーザー分析

レコメンドウィジェットを導入することで、様々なデータ分析が可能になるケースも増えてきました。読了率(記事を最後まで読んでいるユーザー割合や平均読了時間など)が測定できる機能や、ユーザーの好むカテゴリやリピーターがよく読む記事のカテゴリをヒートマップ化して可視化する機能など、レコメンドウィジェットを導入するだけで利用できます。

このように、レコメンドウィジェットは目的よって使い分けられています。レコメンドウィジェットはマネタイズのためだけに開発されたものではなく、メディアの課題を複合的に解決するツール・フォーマットであると言えます。
次に、実際にネイティブ広告を利用しているメディアや、広告主の感想をご紹介します。

媒体社から見たネイティブ広告の印象

ポジティブな意見

  • 広告ではあるが、メディアのコンテンツの一部として捉えていて非常に気に入っている。
  • ユーザー体験を阻害せずに配信できるので非常に良い広告フォーマットだと思っている。
  • バナー広告やオーバーレイ広告のようにコンテンツに被せるような広告や、広告だけのためにコンテンツのスペースを確保するようなことはしたくないので、ネイティブ広告のみを導入している。
  • 社内の広告部と編集部で、広告スペースとコンテンツスペースの割合について議論になることが多いが、ネイティブ広告の場合はうまく共存できることが多い。

ネガティブな意見

  • コンテンツと広告が馴染みすぎて境目がハッキリしないのは、ユーザーにとって不親切だと思う。
  • ”広告”とハッキリ住み分けのできているディスプレイ広告だけを使いたい。

(fluctのコンサルタントが媒体社18社にヒアリングした結果まとめ)

今回のヒアリングではポジティブな意見が多く聞かれました。ユーザーやコンテンツを大切にするメディアポリシーにネイティブ広告のフォーマットが合っていると想定されます。しかし、急激なネイティブ広告の普及によって、ユーザーがネイティブ広告を”広告”と認識できないような実装が為されているケースもあり、導入を懸念しているメディアがあるのは事実です。ユーザーを騙してマネタイズをするフォーマットではなく、広告表記・主体者表記をしっかり入れて「これは広告だ」とユーザーに認識させた上で、ユーザーにとって有益な情報を発信することができれば、ネイティブ広告は今後もさらに発展していくのではないでしょうか。

広告主から見たネイティブ広告の印象

ポジティブな意見

  • 新規ユーザーへの認知を期待している
  • バナー広告を配信してもユーザーの目に止まっていないのではないかと考えており、ネイティブ広告だったらバナー広告より目に留まるのではないかと期待している
  • オーバーレイのようなバナー広告と比べて広告に対するストレスを軽減できると考えている
  • バナー広告以上に多数のクリエイティブを気軽に配信できる
  • 広告をユーザーの目に留めるためにバナー広告のクリエイティブに有名人を使っているが、有名人を使うことでクリック率は非常に高くなるが、版権などのコストが高いという課題があり、有名人を使わなくてもユーザーの目に留まるのであれば使ってみたい。

ネガティブな意見

  • コンテンツ記事と間違えてクリックしたユーザーから騙されたと思われることから、ブランドイメージが下がる可能性がある

(fluctのコンサルタントが広告主3社にヒアリングした結果まとめ)

CTRが年々下がってきているバナー広告に出稿してもなかなかクリックが発生せず、キャンペーンの期間に思ったような成果が得られないという悩みを持っている広告主は多くいます。そのCTRの減少を解決するフォーマットのひとつとしてネイティブ広告に期待する声が集まりました。fluctが提供しているネイティブ広告では、バナー広告よりもネイティブ広告はCTRが高いケースが多く、クリック後のコンバージョン率もバナーよりも高くなる傾向があります。また、広告のクリエイティブに有名人を採用している大手広告主からはCTRをあげるための有名人の版権コストの課題も出てきました。バナーへの出稿の際に有名人をイメージアップを目的としてキャスティングすることで、バナー広告のクリック率が大幅に上がるというデータがあっても、キャスティングのコストそのものが高かったり、CMや雑誌で使用する場合とインターネット上で使用する場合の権利が別となっており、ネット上の広告で利用すると追加コストがかかるため広告効果に見合わず断念される場合もあるようです。その点、ネイティブ広告であればテキストでの誘導も可能なため、画像クリエイティブにそこまでコストをかけずに高いクリック率を出すことができます。コスト削減の面でもネイティブ広告枠への配信が好まれているようです。

今後のネイティブ広告のゆくえ

メディア、広告主から直接伺ったネイティブ広告への意見はいかがだったでしょうか。

以前、fluctではインフィード型ネイティブ広告を導入されている自動車系メディアの担当者様からこんな要望をもらいました。

  • 「車とは全く関係のない商品の広告が出てくるんですけど、これって車に関連する広告だけを配信することってできませんか?」
  • 「車に関係の無い広告案件が表示されるとデザイン的に浮いてしまいます。」
  • 「デザインを馴染ませるだけじゃなく、案件ベースでもメディアに馴染ませて欲しい。」

コンテンツの一部としてインフィード型ネイティブ広告を導入されているメディアからすると至極当たり前の要望ではないかと思います。

現在は、各ネットワーク広告事業者からRTBを用いたネイティブ広告の配信も始まっており、オーディエンスターゲティングの精度が上がってきた反面、広告のコンテンツマッチについてはまだ遅れがみられます。ネイティブ広告案件の総在庫数がバナー広告に比べて少ないため、配信される全ての広告をメディアに合った(もしくはユーザーに合った)広告のみに絞って配信することは現状では難しいのです。

しかし、インフィード広告はバナー広告よりもCTRやCPAが高くなる実績が増えているため、今後は広告案件の在庫数も増えることが予想されます。ネイティブ広告案件の在庫数が今以上に豊富になれば、広告デザインだけではなく、広告内容の方もコンテンツにマッチしたものが配信でき、本当の意味での”コンテンツとしての広告”としてユーザーに親しまれる広告になっていくでしょう。今後もネイティブ広告から目が離せません。

Special Thanks

  • 株式会社logly 代表取締役 吉永 浩和 さま
  • 株式会社fluct 宮島 祐樹

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fluct magazine 編集部

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日本No.1 SSP「fluct」の運用で培った業界知識やノウハウを記事にして発信してまいります。 株式会社fluctサービスサイトはこちらから

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