ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー by Repro

アプリマーケティングにおいて、ASO(App Store Optimization/アプリストア最適化)が必須であることは言うまでもありません。しかし、具体的にどこから手をつけたらよいのか、行っている対策が効率的なのかと、頭を悩ませているディベロッパーの方も多いのではないでしょうか。今回は、アプリ成長支援ツールを提供するRepro株式会社によるASOセミナーの内容を詳しくレポートしていきたいと思います!
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今回登壇されたのは・・・

Repro Inc.
マーケティングチーム マネージャー.
伊藤 直樹氏
新卒で朝日新聞入社後、2016年1月からRepro株式会社1人目のマーケティング担当としてジョイン。現在はマーケティング業務全般を見ながらASOコンサルティングも手がける。

ASOとは、その重要性

ASOとは、App Store Optimizationの略で、日本語では「ストア最適化」と訳されます。アプリマーケティングのうち、ユーザー獲得において有効なソリューションです。具体的には、Webで言うところのSEOSearch Engine Optimization、検索エンジン最適化CROConversion Rate Optimization、コンバージョン率最適化、つまり「ストアランキング上昇による自然流入増」と「アプリ詳細ページのダウンロード率増」を狙ってストアの最適化を図ることです。
なぜ、ASOがアプリの新規ユーザー獲得において有効だとされているのでしょうか。答えはシンプルで、ストア検索からアプリをインストールするユーザーがもっとも多いからです。(iOSでは、検索からのダウンロードはAppStore全体の65%を占めると言われています)

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

ASOの改善ポイントとその説明

ASOを実施するにあたり、どのKPIをどう改善していけばよいのでしょうか。

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

上の図はアプリダウンロード数に影響する要素を分解したKPIツリーです。このうち、「検索順位(キーワード別)」「ページアクセス後ダウンロード率」「レビュー数・レーティング」の3つがASOにおける重要な改善ポイントになります。検索順位を改善することでストアの検索結果からストアページ(アプリの詳細ページ)へのアクセス数を増やし、ページアクセス後ダウンロード率を改善することで最終的なダウンロード数を増やすことができます。レビュー数・レーティングの改善については、検索順位・ダウンロード率ともに影響してくる重要な要素になります。こちらについては、後ほど詳しく説明します。

ASOにおける改善ポイント(iOS編)

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

iOSではタイトル、iTunes Connect のKeywordsに狙いたいキーワードを含めることで、検索順位の上昇を図ります。また、アイコン、スクリーンショット、説明文、レビューを改善することによって、ダウンロード数の向上を図ります。

ASOにおける改善ポイント(Android編)

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

Androidでは、iOSと違い簡単な説明文(80文字)と詳細な説明文(4000文字)の2種類の説明文が必要になります。このうち、より重要なのが簡単な説明文で、GooglePlayの検索結果にインデックスされる際の重要キーワードに認定される比重が大きいと言われています。また、ストアページにおいてはファーストビューすくロールせずに画面上に映し出される範囲に表示されるので、ページアクセス後のダウンロード率にも影響してきます。

ストア検索順位に影響するアプリ利用開始後のアクティブ率/アンインストール率

実は、ユーザーにダウンロードをさせるまでの改善だけではASOとしては不十分です。なぜなら、ダウンロード後、ユーザーがアプリ利用を開始してからのアクティブ率/アンインストール率もストア検索順位を決定するアルゴリズムにおいて重要な指標としてみられているからです。つまり、「ダウンロード後のアプリ改善」もASOの範囲だと言えます。アプリ改善を怠ると、検索順位が下がり、新規ユーザーが獲得しにくくなるという悪循環に陥ってしまいます。ユーザーに使い続けてもらえるようにアプリを改善することは、アプリ運用においてごく当たり前のことではありますが、間接的なユーザー獲得施策としても重要度が増してきています。

レビューの重要性

レビュー評価は「ストアランキング上昇による自然流入増」、「アプリ詳細ページのダウンロード率増」、「ダウンロード後のアプリ改善」の全てに関わる重要指標です。レビュー数とレーティングもまた、検索順位を決定するアルゴリズムにおいて重要な指標と見られているからです。そしてユーザーがアプリをダウンロードする際にもっとも参考にしている項目もこのレビューです。当然、レビューの良し悪しを決定するのはユーザーの評価であり、アプリ改善によってこの評価を上げていくことが可能です。

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

レーティングがダウンロード率に大きく影響を及ぼすかを調べた調査では、★4未満と★4以上ではダウンロード率に大きな差が出るという結果が出ています。一方で、両OSともにスパムレビュー防止策を厳重化しており、悪質にレビューを操作しようとするアプリはランキングから排除されるように対策されています。

悪い評価のレビューを減らし、良い評価のレビューを増やすには

アプリのレビュー評価を向上させるには、悪い評価のレビューを減らし、良い評価のレビューを増やせるよう改善を試みます。「良いレビューが付くようアプリを改善する」ということは言わずもがなですが、その上で取れる対策として、レビューへの返信が有効です。これにより、返答を返したユーザーによるレビューの見直し(再評価)が期待できます。Google playではレビューへの返信機能が以前からありましたが、App StoreでもiOS11から返信機能が付きました。
レビューの返信は、評価の低いレビューや、最新バージョンのアプリに対する技術的な問題を報告しているレビューの優先度を上げると効果的です。また、レビューで受けた質問に回答したり、指摘された問題を解決したら、そのユーザーにレビューを更新してもらうよう依頼すると再評価される確度が高まります。また、あまりにも悪い評価のレビューが増えてしまった場合は、評価をリセットすることも一つの手段です。(レーティングが3.5以下になってしまった場合、検討してみてもよいかもしれません)

ASOの今後のトレンド(iOS11)

出典:Repro ASOについて一から学ぶアプリマーケティングセミナー資料より

こちらのグラフはとあるアプリストアページのインプレッション数の推移です。iOS11の正式版がリリースされてから、一気に下降傾向をたどっています。これはiOS11のアップデートにより、App Storeのランキングタブが廃止されTodayタブに変更となり、ファーストビューで見えるアプリの数が減少したことが要因だと考えられます。このグラフから読み取れる今後のASOトレンドは、ブースト広告などの手法は意味がなくなり、より検索流入が重要視されるようになっていくだろうということです。
 この他にもiOS11へのアップデートに伴うApp Storeの変更点は多く、検索一覧のスクリーンショットが3枚(もしくは横長の画像1枚)になっているほか、タイトルの文字数制限が50文字から30文字になり、その分新たに30文字のサブタイトルが設定できるようになったりしています。また、レビューによる点数もファーストビューで確認ができるようになり、レビュー自体の掲載位置もユーザーの目に付きやすい場所に変わりました。セミナーでは、iOS11対策を怠ったことでダウンロード数が急落した事例も紹介されていました。今後、OSのバージョンアップに伴ったASO対策はアプリマーケティングにおいて不可欠になるでしょう。もし貴社アプリのダウンロード数がiOS11以降伸び悩んでいるのであれば、ASO対策を始めてみてはいかがでしょうか。
 ASOの概要は理解したけれど、何から手をつけてよいのかわからないという方は、Reproの提供する無料ASO診断がオススメです。

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