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Better Ads Standardsの脅威!Google Chromeアドブロック直前対策講座

Googleが「Better Ads Standardsに準拠していないウェブサイトの広告をChrome上でブロックする」と発表してから早くも数ヶ月が経過しました。実施時期と発表されている「2018年の初め」が目前に迫っています。Chromeは世界シェア約60%、日本でも約40%のシェアを占めているWebブラウザで、自社のサイトがChromeでアドブロックされてしまった場合、その影響を大きく受けることが予想されます。アドブロックされないために、どういった対策を打てば良いのでしょうか。今回は、Better Ads Standardsとその対策について、詳しく解説していきたいと思います。

「ユーザーに許容されない広告」の線引きをしたBetter Ads Standards

Better Ads StandardsとはThe Coalition for Better Ads(以下CBA)という広告団体連合が制定したオンライン広告の基準です。CBAにはGoogleをはじめとする広告事業者やIAB
などの広告団体のほか、広告主、パブリッシャーなど、オンライン広告に携わるプレイヤーが広く参加しています。CBAが設立された背景には、アドブロックツールの世界的な普及があります。詳しくは「損失は2兆円越え?パブリッシャーのためのアドブロック動向解説」をご覧ください。
 CBAは、北米とヨーロッパの25,000人以上のインターネットユーザーを対象に、55種類のデスクトップ広告と49種類のモバイル広告について調査を実施しました。その結果、8種類のデスクトップ広告と4種類のモバイル広告が消費者の受け入れ可能性の閾値を下回ったと発表しました。数ある広告フォーマットのうち、「ユーザーに許容されない広告」の線引きをしたのです。
Ad Experiences

The Research – Coalition for Better Adsより

そしてその線引きを元に、GoogleはChromeにて「ユーザーに許容されない広告」を実装しているWebサイトの広告をブロックすると発表しました。

Chromeは、常にウェブを閲覧できる最高の体験を提供することに重点を置いてきました。たとえば、迷惑であるという事実に基づいて、新しいタブのポップアップを防止します。連合や他の業界団体との対話で、2018年の初めにはBetter Ads Standardsに準拠していないウェブサイトでChromeの広告掲載を停止する予定です(Googleが所有または提供している広告を含む)。

Googleブログ Building a better web for everyone より抜粋(Google翻訳)

Chromeのアドブロック対象
「ユーザーに許容されない」12種類のフォーマット

デスクトップ

ポップアップ広告

ポップアップ広告
ページの主要コンテンツをポップアップして邪魔する、インタースティシャル広告の一種です。ページのコンテンツが読み込まれた後に表示され、ウェブサイトへの訪問者の多くが迷惑だと感じています。画面全体に表示されるものも、画面の一部に表示されるものも、どちらも含まれます。

音声付自動再生動画広告

声付自動再生動画広告
ユーザーが何も操作しなくても、勝手に音声付で再生されてしまうアウトストリーム動画です。ユーザーは慌ててウェブページ自体のタブやウィンドウを閉じてしまいます。なお、無音で再生されるものについては「許容されない広告」ではありませんでした。
また、ページ自体のコンテンツに関連する動画コンテンツ中に再生される広告(プレロール広告、ミッドロール広告)についてはまだテストされていません。

カウントダウン付プレスティシャル広告

カウントダウン付プレスティシャル広告
コンテンツが読み込まれる前に表示され、閉じるボタンが出るまでカウントダウンされる広告です。ユーザーは広告を閉じるまでページのコンテンツを見ることができません。
なお、デスクトップ環境では、すぐに消せるプレスティシャル広告については「許容されない広告」ではありませんでした。

大型スティッキー広告

大型スティッキー広告
画面占有率が30%を超える画面下部に固定表示される大型バナーのことです。スクロールしても表示されつづけるため、ページビューの一部に表示され続け、ユーザーの妨げになります。

モバイル

ポップアップ広告

ポップアップ広告
デスクトップと同様に、ページの主要コンテンツをポップアップして邪魔する、インタースティシャル広告の一種です。

プレスティシャル広告

カウントダウン付広告
デスクトップと同様に、コンテンツが読み込まれる前に表示される広告です。デスクトップとは違い、カウントダウンがないものも「許容されない広告」に含まれます。フルスクリーン表示のものから、スクリーンの一部の表示までサイズが異なります。また、別ページが単独で立ち上がるものもこれに含まれます。

メインコンテンツの高さに対して占有率が30%以上の広告

メインコンテンツの高さに対して占有率が30%以上の広告
ページのメインコンテンツ部分の垂直高さの30%以上を占める公広告は、ユーザーの操作の妨げになります。これはテキスト、動画・静止画にかかわらず「許容されない広告」に含まれます。またインライン広告とオーバーレイ広告ともにこれにあたります。

点滅する広告

点滅する広告
背景や色が急激に変化したり点滅したりするアニメーション付広告はユーザー二不快感をもたらすため、「許容されない広告」に含まれます。
点滅しないアニメーション広告は「許容されない広告」には含まれませんでした。

音声付自動再生動画広告

音声付自動再生動画広告
デスクトップと同様の、ユーザーが何も操作しなくても、勝手に音声付で再生されてしまうアウトストリーム動画が「許容されない広告」に含まれました。

カウントダウン付広告

プレスティシャル広告
ページを遷移した際に表示されるカウントダウンタイマー付の広告です。ユーザーはコンテンツを閲覧するためにカウントダウンを待つか、諦めてページを閉じることを強要されます。なお、閉じるボタンのついているカウントダウン付広告は「許容されない広告」には含まれませんでした。

全画面スクロールオーバー広告

全画面スクロールオーバー広告
コンテンツの上に被さるようにスクロールしてくる広告です。これらの広告は画面の30%以上を占め、サイトコンテンツの閲覧を妨げるほか、操作を複雑にするため「許容されない広告」に含まれました。これはインライン広告とは異なります。

大型スティッキー広告

大型スティッキー広告
デスクトップ同様、固定表示される大型バナーのことです。いわゆるオーバーレイ広告で、画面占有率が30%を超える大型のものを指します。

画像は全てThe Initial Better Ads Standards – Coalition for Better Adsより出展

パブリッシャーのとるべき対策

GoogleはChromeによるアドブロック機能の実装について「2018年の初め」としており、それ以上の詳細な時期は発表されていません。Chromeは自動アップデートがかかるため、アドブロック機能が搭載されたバージョンがリリースされた場合、一気にその影響が広がる可能性があります。
また、Better Ads Standardsに準拠しない広告のみをブロックするのか、準拠していないサイトの広告を全て(準拠しているものも含めて)ブロックするのかという部分は明言されていませんが、“including those owned or served by Google(Googleが所有または提供している広告を含む)” との記載から、全ての広告がブロックされる可能性が高そうです。
広告を掲載している全てのパブリッシャーは、自社のサイトに実装している広告がBetter Ads Standardsに準拠したものになっているか、今一度確認をしておくことをお勧めします。

Googleによるチェックツールを活用する

Googleは、自社のサイトがBetter Ads Standardsに準拠しているかどうかチェックできるツールを提供しています。Web Toolsの「広告に関する問題レポート」です。(利用するにはSerchConsoleにサイトを登録しておく必要があります)

Googleによるチェックツール

Googleブログ Building a better web for everyone より

審査がされると、上記動画のような形でレポートを見ることができるようになります。

審査ステータスは未審査/合格/警告/失敗/審査待ちの5種類です。

  • 未審査:
    まだ審査に提出されていない状態
  • 合格:
    Better Ads Standardsに準拠しない広告が多数検出されていないことを確認された状態
  • 警告:
    Better Ads Standardsに準拠しない広告が多数検出された状態、問題を修正し再度審査に提出する必要あり
  • 失敗:
    Better Ads Standardsに準拠しない広告が多数検出された状態、問題を修正し再度審査に提出する必要あり 、Chromeにてアドブロックの対象に
  • 審査待ち:
    審査に提出されている状態、提出前のサイトが「失敗」ステータスだった場合、この期間中のアドブロックが一時停止されることがある
サイトが失敗ステータスだった場合

広告のブロックが開始される少なくとも30日前に、登録されたサイト所有者とユーザーにメールで通知が届きます。サイト所有者はこの猶予期間中にサイトの広告実装を見直すことで、広告のブロックを回避できます。

デバイス、ドメインについて

PCとモバイルは、別々に審査されます。もしPCで広告がブロックされてしまっても、モバイルサイトの広告実装に問題がなければモバイルサイトの広告はブロックされません。
審査は、ルートドメインまでのすべてのページが対象となります。つまり、ルートドメインがexample.comの場合、www.example.com、news.example.com、example.com/financeまで審査範囲となり、広告実装がチェックされます。

Googleの提示する優れた広告のゴールデンルールをヒントに

Googleは優れた広告体験をユーザーに提供するためのゴールデンルールとして、次の3点を掲げています。

  • 即時性:AMP広告(A4A)を適用することで、広告表示速度を上げる
  • 没入性:サイトのコンテンツ形式と機能に合わせたネイティブ広告を採用する
  • 関連性:プログラマティックな技術により、消費者の関心やコンテンツに関連性の高い広告を表示させる

これらのルールを適用することで、視認性やCTR、eCPMの向上が見られたとしています。詳しくはCreating better ad experiences for everyoneをご覧ください。

Better Ads Standardsは永続的なもの

CBAは、Better Ads Standardsを“Initial(初期の)”と発表しています。また「The Coalition plans to continue conducting research in additional regions and environments to provide a comprehensive understanding of consumer reaction to ad experiences.(連合は、広告エクスペリエンスに対する消費者の反応を包括的に理解するために、地域や環境をさらに研究することを継続する予定です。)」との通り、今後もその活動を継続させていくとしています。
現状、このBetter Ads Standardsに準拠しない広告を取り締まろうとする動きはGoogleが先陣を切っていますが、今後他のブラウザも同様な仕様ブラウザによる広告のブロックはSafariやFirefoxが既に取り組んでいるになる可能性もあります。あるいはCBAに参加している他の団体による、別軸での取り締まりが強化されていくことも考えられます。
今後もfluct magazineではCBAやそのレポートに注目していきたいと思います。

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