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人気漫画アプリ4社が「本当に効果があった施策」だけを大公開!Growth Hack Talks9 漫画アプリ特集2 セミナーレポート

人気漫画アプリ4社が「本当に効果があった施策」だけを大公開!Growth Hack Talks9 漫画アプリ特集2 セミナーレポート

アプリ業界で勢いのある市場の一つが漫画です。「漫画アプリのグロース&マネタイズ」というテーマで開催された『Growth Hack Talks 9 漫画アプリ特集2』では、人気の漫画アプリ「LINEマンガ」「マンガトリガー」「GANMA!」「マンガUP!・マンガPark」それぞれの担当者が登壇。ユーザー獲得や継続、マネタイズ、コンテンツ戦略など様々な課題に対し本当に効果があった施策を、具体的な数値を交えてお話くださいました。

『Growth Hack Talks』とは、アプリのディレクター・マーケター・エンジニアなど、アプリの成長をミッションとする人たちがグロースハックのノウハウをシェアし合う株式会社Repro主催のイベントです。

LINEマンガ:漫画作品とのタッチポイントをいかに創出するか
LINE株式会社 マンガ事業部 LINEマンガ企画チーム マネージャー 平井漠氏

LINEマンガ
話題作やLINEオリジナル作品など200作品以上の漫画を毎日更新、ユーザーは無料で読むことが出来る「無料連載」のほか、「ストア」で漫画単行本の電子版を購入することも可能。月商10億円の大部分は単行本の電子販売が占めるが、広告も導入している。

LINE株式会社 平井氏LINEマンガをグロースさせてきた鍵は「いかに漫画作品とのタッチポイントを創出するか」ということにあります。アプリを継続的に使ってもらうには、気に入った作品に出会って読んでもらうことが重要です。その出会いを作るべく、広く浅く、手に取るハードルを低くし、ユーザーと漫画作品との接点を多く作るための施策を多数実施してきました。

LINEスタンプで友達へもタッチポイントを広げる

サービス開始当初から実施している施策として、電子書籍購入をしたユーザーにその作品のLINEスタンプを特典につけるというものがあります。これは販促目的でもありますが、購入ユーザーのLINE友だちへもタッチポイントをつくることでの波及効果も狙っています。1巻無料キャンペーンと掛け合わせることで、高い効果を発揮しています。

漫画を読み始めるハードルを下げる「無料連載」

また、効果が高かったのは、漫画を1話ずつ読むことができる「無料連載」です。この施策の狙いとしては、ユーザーの漫画を読み始めるハードルを低くすることで、ユーザーと漫画作品のタッチポイントを増やすことでした。LINEが行ったインターネット調査によると、「無料連載」も含め、LINEマンガで作品を無料で読んだ読者がその後単行本の電子版や紙(新品)の書籍を購入する割合は約40%にも上ります。
LINEスライド
逆に、あまり効果を発揮しなかった施策は「読んだ」機能という、LINE友だちに読んだ漫画を共有できる機能です。後々は友達同士で漫画の貸し借り等の機能を付けていこうという構想もありましたが、自分が読んだ漫画をまわりに知られたくない、などの意見もあり、ユーザーモチベーションを巧く作ることができませんでした。

LINEアプリ内へマンガタブ追加

ユーザーとのタッチポイントとして大きく打った施策としては、「LINE」アプリ内にマンガタブを追加したことです。LINEマンガアプリのダウンロードという大きなハードルを取り払うことにより、LINEユーザーとの距離を縮めタッチポイントを一気に増やすことに成功しました。今後もLINEアプリとの連携を進め、よりプッシュ型のタッチポイント作りを狙って行く方針です。

LINEマンガのまとめ

  • グロースの鍵は「いかに漫画作品とのタッチポイントを創出するか」
  • 「無料連載」により、漫画を読み始めるハードルを低くした
  • LINEアプリ内にマンガタブを設置、LINEユーザーへタッチポイントを一気に広げた
  • 今後はよりプッシュ型のタッチポイント作りを狙う

マンガトリガー:ユーザーテストは「おトク」である
株式会社ナンバーナイン 取締役COO 荒井健太郎氏

マンガトリガー
マンガトリガーは、出版社の垣根を超えて、著名人がセレクトしたオススメ漫画が並ぶ漫画のセレクトショップ。一定時間が経つと1話ごとに漫画をタダで読める仕組みになっている。

マンガトリガーではユーザーテストを1ヶ月単位で実施しています。準備から実施、結果をまとめるまでに非常に手間のかかるユーザーテストですが、効率良くサービスをグロースさせることが出来ます。サービスローンチ当初はメンバーでKPI改善の施策をブレストし合い、個々の課題に対してABテストを行っていましたが、その結果に再現性はなく、またABテストで取れた数値データだけでは課題の原因究明は難しいことが多々ありました。

動画撮影は必須

ユーザーテストは、シチュエーションとタスクを設定し、実際にユーザーにそのタスクをこなしてもらいます。テストをより有効的なものにするために、必ずユーザーの手元と表情の2つの動画を撮影しています。ユーザーテストの結果を社内共有する際に、動画は情報量も多く、文字で伝えるよりもメンバーの納得感を持って進めることができるからです。
マンガトリガー スライド

施策出しにはエンジニアとデザイナーをアサイン

ユーザーテストで出た課題は「できない or やりにくい」と「発生頻度」で分類し、ユーザーが「できない」「発生頻度の高い」課題から着手しています。課題に対する施策は「インパクト」と「工数」のバランスで実施を決めます。この施策出しの際には必ずエンジニアとデザイナーをアサインしています。理由は、その場で工数見積もりやモックを出すことで、スピーディーに進めることができるからです。

とにかく大きいところから手をつける

こうしてユーザーテストを行いながら過去1年開発を進めてきてたどり着いた結論は、「とにかく大きいところから手をつける」ということです。工数がかかっても、インパクトが大きい課題から取り掛かっていくことが大切です。ちなみに、過去1年で最も効果的だった施策はBINGO形式でユーザーにTODOをこなしてもらうというものでした。

マンガトリガーまとめ

  • ユーザーテストは手間が掛かるが、実施したほうが効率的にサービスをグロースさせることができる
  • ユーザーテストの動画撮影はユーザーの手元と表情を押さえる
  • ユーザーテストで出た課題はユーザーにとって難易度が高く発生頻度の高いものから優先的にとりかかる

GANMA:全てのレビューに返信を-GANMAのASO施策
コミックスマート株式会社 取締役 福西祐樹氏

GANMA
100作以上のオリジナル漫画を無料で公開しており、また自社製作アニメや記事コンテンツもアプリ内に掲載している。マネタイズはコミカライズタイアップ(クライアントの訴求内容にそったオリジナル漫画制作)や、アプリインストール等のパフォーマンス広告を採用している。

コミックスマート株式会社 福西氏GANMAではさまざまなASO施策を試み、評価・検索ランキング・詳細ページの改善に取り組んでいます。その中でも特に効果があったと思われる施策についてご紹介いたします。

アプリストアのレビューに対し、一つひとつ返信する

まず、評価を改善する施策として「全てのレビューへの返信」をしようと決め、2016年から取り組み始めました。低い評価にも高い評価にもとにかく返信し続けた結果、以前は3.4程度だったGoogle Playでの評価を、現在では4.7まで高めることができました。AppStoreでもレビューが返信できるようになってからは同様な対応をしています。

ちなみに、コピペは見破られてしまうので、一つひとつ個別に、相手がどんな方か(年齢、性別、怒っているのか喜んで使っているのかなど)によって返信内容を変えることを心がけています。溜めると非常に大変なので、コツは毎日やることです。
レスを受けてレビューの見直しを行ってくれるのは100件に1件ほどですが、その1件が次の100件のレスをするやる気を引き起こさせるのは確かです!
(Androidではレビュー文言もインデックスされると言われており、レビューと検索順位の相関性についての質問を受けて)意識はしていませんでしたが、レビュー返信によって総評価を高めることが、検索順位を上げることにも繋がっているのではと思います。オーガニック検索のCVRの高さも、高い順位を保つ一つの要因だと考えられるからです。

ランキング上位をキープするには高品質であること

また検索ランキングにおいては、高品質であることが重要であると考えています。以前「漫画」「まんが」「マンガ」全てのワードで順位が下がってしまったことがありました。原因を探ったところ、ANRApplication Not Responding、アプリが反応しないエラー発生率、クラッシュ発生率が共に高まっていたことがわかりました。改善を図った結果、順位を戻すことができたので、おそらくそれが順位を下げてしまった一番の要因だったのだと思います。また障害時の対応も重要です。そもそも障害を起こさないようにすることは言わずもがなですが、起こってしまった時はすぐに直すこと、レビューに対してもすぐに返信をすることで検索順位への影響を最小限にとどめられると思います。

詳細ページはとにかくテストを繰り返し改善

詳細ページの改善については、横長のスクリーンショットや動画を試してみたり、サブタイトルを調整したりと、Google Play・AppStoreともに色々と試しています。なお、ヘッダー画像についてはロゴを置いただけのシンプルなものが一番の効果を発揮しています。今後もひきつづきASO対策に積極的に取り組んで行きたいと思います。

GANMAまとめ

  • 良いレビューも悪いレビューも個別に一つひとつレスをつけることで評価改善ができた
  • アプリ評価が高まることでCVRが高まり検索ランキングも上がる好循環が生まれる
  • 検索ランキングにはアプリの品質も影響する

マンガUP!,マンガPark:各KPIにおいて有効だった施策と結果
and factory株式会社 取締役 青木倫治氏

マンガUP!/マンガPark
スクウェア・エニックスとの共同事業である「マンガUP!」(280万DL数)、白泉社との共同事業である「マンガPark」(110万DL数)という2つの漫画アプリを展開。「マンガUP!」は男性ユーザー比率が高く、「マンガPark」は女性ユーザー比率が高い。

and factory株式会社 青木氏and factoryは50以上の自社アプリを運営するなかで、アプリの売上向上の基本として、MAUとARPUを重要視しています。特に漫画アプリについてはDAU、RR(リテンションレート)、ORGANIC(自然検索流入)をKPIに定め、それらを向上させるための施策を模索しつづけて来ました。その中でも効果的だった4つの施策をご紹介します。
and factory スライド01

YouTuberコラボ企画

3組のYouTuberに動画でマンガUP!の紹介をしてもらい、マンガUP!アプリ内でどのYouTuberが良かったかユーザー投票を実施、1位になったYouTuberに人気漫画出演権が与えられるという企画を実施しました。その結果、YouTube内のリンクからの流入だけではなく、検索流入に圧倒的な効果を得られました。企画を実施している期間だけでなく、終了してからもしばらく検索流入の伸びが見られたこともYouTuberコラボ企画の特徴的な傾向でした。

効果的なプッシュ通知

全配信やセグメント配信を使い分けなどをして、プッシュ通知によるMAUの向上を図っています。同一のセグメントに対しどんなクリエイティブが効果的なのか、ABCDテスト(Reproのテスト機能)を活用し効果を追求しています。
訴求内容によっては、プッシュ通知で読者が13倍にまで伸びた作品もありました。中でも効果があったのは、読んでいる作品でユーザーをセグメントし、近しい趣向の作品を訴求したプッシュ通知でした。

作品接触機会から、いかに作品をシームレスに読み始めさせるか

作品接触機会から、すぐに1話目を読み始めることができるUXを提供しています。作品接触機会のひとつに、アプリ内に作品のひとコマを掲載する「チラ見せ」バナーを掲載しており、そのバナーの遷移先に漫画詳細ページではなく作品の1ページ目を設定しています。ユーザーが作品にたどり着くまでのアクションを出来る限り少なくし、作品の世界に入り込みやすいUXを提供することで、MAU、ARPUといったKPIを改善しています。
and factory スライド02
前述したプッシュ通知にもディープリンクを設定し、プッシュから作品にすぐにたどり着けるような設計になっています。
また、広告でも同様な遷移ができるような仕組みを開発中です。(この施策についてはRepro平田代表が「最も効果が見込めるのでは」とコメントされていました。以前Reproが行ったある漫画アプリのユーザー調査によると、一度アプリを起動し、その後2度と起動しなかったユーザーのうちの2割がその理由を「広告で見た作品が探せなかったから」と答えたそうです)

漫画アプリにマッチした作品選定

シームレスに作品を読み始めた読者を、いかに作品に引き込むことが出来るかも、MAUやARPUを改善する重要な鍵になります。そのため、1話目に見せ場があったり、スピーディーなストーリー展開があったりする作品を多くピックアップするようにしています。また、こうした観点はオリジナル作品の企画にも生かされています。
この背景には、ユーザーのアプリ起動時間が短くなってきていることや、キャッチーなイラストが漫画を読むきっかけになるという、刹那的なユーザー動向が見られます。漫画雑誌の発行部数が減少傾向にある今、アプリはその補完的な役割を担うだけではなく、“新たなメディア”としての価値創造ができると考えています。KPI数値の向こうにあるユーザーのちょっとした行動や気持ちの変化を敏感に察知し、ユーザーが求めるヒット作を世に生み出す「漫画メディア」を作っていきたいと思います。

マンガUP!,マンガParkまとめ

  • YouTuberとのコラボ企画など、話題性の高い施策は検索流入に圧倒的な効果を発揮した
  • プッシュ通知をチューニングした結果、読者を13倍にも伸ばした漫画タイトルもあった
  • プッシュ通知や広告からスムーズに1話目を読み始めさせることで、KPI改善を図っている

今回が2回目となるGrowth Hack Talks9 漫画アプリ特集は、180人収容のセプテーニ社のセミナー会場で立ち見が出るほどの盛況ぶりでした!
なお、4社のうちの3社は純広告や動画リワードなどの広告マネタイズを導入しており、課金・広告のハイブリッドマネタイゼーションの流れは漫画アプリでも主流になりつつあることを実感しました。

会場提供:株式会社セプテーニ
主催・写真提供:Repro株式会社

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