GDPR施行開始目前! Google Analyticsのデータ保持設定はできていますか?

2018年5月25日より、Google Analyticsのユーザーデータとイベントデータが自動的に削除されるようになります。この変更の背景、影響範囲、利用者がどう対応すべきかをまとめました。
※2018年4月27日時点での情報のため、一部最新情報ではない可能性がございます。詳細は、Google公式情報をご確認ください。

なぜGoogle Analyticsでデータ保持期間が設けられたのか

Google Analyticsでデータ保持期間が設けられた背景には、「GDPR(General Data Protection Regulation: 一般データ保護規則」があります。GDPRとは、EUにおける新しい個人情報保護の枠組みで、個人データ保護や取り扱いについて詳細に定められています。万が一、規制に違反した場合は、約26億円、もしくは当該企業の全売上高の4%のいずれか高い方という高額な制裁金が科せられます。
この運用が2018年5月25日に始まることを受け、Googleのサーバーに保存されている保護対象となるデータの保持期間を、Google Analytics利用者自身が管理できるようにしたというのが、今回の流れになります。

データが削除されることによる影響範囲

削除対象は、ユーザーやブラウザといった「プライバシーに関連するデータ」です。

具体的には

  • Cookie
  • ユーザーの識別子(例: ユーザー ID)
  • 広告ID(DoubleClick Cookie、Androidの広告ID、Apple広告主向け識別子など)

これらに関連付けられた「ユーザー単位」や「イベント単位」のデータが削除されます。

データが削除されても、集計データに基づくレポートには影響はないとGoogleは述べています。
つまり、全体のセッション数/ユーザー数/ページビュー数など、Google Analyticsで主に使われる機能には影響しないと見られます。しかし、Google Analyticsがブラウザごとに発行する「クライアントID」というものを使った計測ができなくなると思われます。具体的には、「ユーザー」の中のユーザーエクスプローラや、リマーケティング ユーザーリストなどです。
また、Google Analyticsに特殊な設定や使い方をしている場合は、影響が出る可能性があります。

パブリッシャーが取るべき対応

この対策として、自動的にデータが削除されないように設定することも可能です。

  • ①[管理] をクリックして、編集するプロパティに移動
  • ②③[プロパティ] 列の、[トラッキング情報] > [データ保持] をクリック
  • ④ユーザーデータの保持: 希望の保持期間を選択
  • ⑤保存をクリック

「自動的に期限切れにならない」を選択すれば、データが削除されることはありません。
※デフォルトでは26ヶ月に設定されます
※プロパティの編集権限がないと設定できません

データを削除しない場合のリスク

この仕様変更の本質はプライバシー保護にあります。データの自動削除機能を利用せずに情報を保持し続けることは、GDPRに抵触するリスクを抱え続けるということになります。閲覧ユーザーのデータになるので、EUからのアクセスを禁止していない限り、ほぼ全てのメディアにリスクがあると言えます。
こうしたリスクとGoogle Analyticsの活用の仕方を踏まえ、データ保持に期限を持たせるかどうか、検討をされることをお勧めいたします。なお、設定が反映されるには24時間かかるため、設定変更は5月23日(水)までに完了させておきましょう。

参考記事

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