AdX動画リワードでCPM高収益化!「あそびごころ。」が語る、脱出ゲームの最適なマネタイズ術とは?【fluct動画リワード活用シリーズvol.4】

脱出ゲームの大人気ディベロッパー、「あそびごころ。」さん。2019年4月の「ウセモノターミナル2」のリリースをもって、脱出ゲーム開発終了が決定しました。ということで、今まで培ってきたマネタイズノウハウ、過去作品、全部お見せします!最後まで「あそびごころ。」さんの魅力が詰まったインタビューです!

お話を伺ったのは・・・

株式会社ACT*KEY 「あそびごころ。」
プロデューサー&ディレクター
小野寺亮周氏

インタビュー担当
株式会社fluct アプリソリューション本部
佐藤亜美

ACT*KEYの事業内容と「あそびごころ。」誕生秘話を教えてください

「あそびごころ。」は、脱出ゲームの開発運営をしています。母体はACT*KEYという会社です。ACT*KEYの事業内容は3つで、Eコマース、WEB制作、ゲーム事業です。「あそびごころ。」はこのゲーム事業に該当します。
ACT*KEYは元々、ガラケーのキャリア公式ポータルサイトページの作成を担っていました。そこから、スマホへの移行の流れが強まり、ゲームの開発をはじめました。開発していたゲームの内容が徐々に形を変え、脱出ゲームに着地しました。「あそびごころ。」の誕生です。

ゲーム事業開始のきっかけと、開発していたゲーム内容の変遷を教えてださい

当初作っていたガラケーのポータルサイトは、ゲームのコンテンツが充実していたので、そこから派生しゲーム事業を始めました。当時は今の脱出ゲームタイトルのように端末画面を縦のまま操作するものではなく、端末画面を横型で操作するアクションゲームなどを制作していました。マネタイズは、この頃から広告が中心でした。

ですが、横型操作のゲームは当時の広告フォーマットにマッチしていませんでした。理由は、ストア上で横型操作のゲームが少なく、それに対応している広告事業社が限られていたからです。よって、広告マネタイズをするなら、縦型のゲームを作ろうという流れになりました。

弊社のタイトルは、ストーリー仕立てでお話を読み進めていくようなゲームが中心でした。そのころから、徐々に脱出ゲームがアプリストアで目立ちはじめ、特定のタイトルがブームになりました。そこで市場に可能性を感じ、弊社も本格的に脱出ゲーム開発に着手しました。

御社の脱出ゲームは続々と新作を出されていますが、組織体制について教えてください

開発ラインは、タイトルごとに別れています。タイトル構成チームの担当は、デザイナー1名、プログラマー1名、問題制作者1名です。基本的にデザイナー1人につき1タイトルを見ています

プログラマー、問題制作者は、デザイナーのラインを元に複数タイトルを兼務しています
デザイナーが1タイトルにつき1人なので、デザイナーを中心に開発ラインがあるイメージです。
そして基本的に、私がすべてのタイトルにプロデューサー&ディレクターとして関わっています。多い時で同時に5~6ラインが走っていることがあります(笑)

体制図イメージ

また、弊社の体制面で珍しいのは、デザイナーの裁量が最も大きいことですね。デザイナーがディレクションや企画を行うのです

デザイナーが企画とディレクションを行うのですか?

はい。タイトル企画の発案はデザイナーなんです。1タイトルを作り終えたデザイナーが、簡易的な内容で次回作の企画を複数持ってきます。その企画を元に社内で会議が行われた後、制作するタイトルが決定します。

デザイナーが行う企画構成内容は、大きく分けて3つです。”①あらすじ~最後のオチ”、”②ステージのクリア条件”、”③メイン画面の背景の素案”です。
弊社のタイトルは基本的にステージ制で、複数のステージをクリアすると、最後のオチが楽しめるような構成になっています。

“②ステージのクリア条件”に関しては、企画段階では細かく決まりきっていない事もあります。企画会議でチームの人から意見が出れば、デザイナー以外の担当が、ステージのクリア条件を考えたり、あらすじに肉付けすることがあります。脱出ゲームのステージクリアに必要な条件は、移動する、何かを入手するの2パターンなので、このパターンをゲームの世界感と組み合わせて考えていきます。

また、企画を構成する要素の中で、最も大切なのは”③メイン画面の背景の素案”です。デザイナーによって企画時点では、素材の一部を出してきたり、ラフだったりすることもあります。背景は脱出ゲームにおける世界観そのものです。その作品のメインテーマとも言えます。

名作タイトルを数多く生み出す企画会議で、心がけていることはなんですか?

チームにとって、何が一番やりたい?という点を最も重要視しています。作り手がワクワクできる、“遊びゴコロイズム”と企画の掛け合わせで、良い作品ができていると思いますよ。

ここでいう”遊びゴコロイズム”とは、制作する本人のモチベーション優先することを指します。自分自身が一番のファンになれるタイトルづくりができるよう、会議をしています。
“遊びゴコロイズム”を重視した結果、プロデューサーである、私の意見が跳ね除けられる事もあります(笑)また、逆に私がメンバーの意向にエッセンスを加える事もあります。

具体的にどんな点でチームの”遊びゴコロイズム”な意見が尊重されますか?

肝となる、タイトルのコンセプトをチームで議論した結果、当初のコンセプトとは異なる作品に仕上がることがあります。
例えば、「悪夢レストラン」というタイトルのエピソードがわかりやすいです。このタイトルは弊社屈指の本格ホラータイトルです。

悪夢レストラン

当初企画段階では、”ホラー”なコンセプトというより、”少し不気味”なコンセプトになる予定でした。

ですが、完成形は完全な”ホラー”タイトルになりました。私が、企画段階で”少し不気味”のコンセプトにNGを出したのです。チームの意見は、コンセプトが奇抜な”ホラー”だと、離れていくユーザーさんが多いのでは?という意見でした。よって、”ホラー”まではいかずに、”不気味さ”で留めておくのがベストだと意見しました。

ですが、私は、「中途半端な”不気味さ”は逆に離れていくユーザーさんがいるかもしれない。振り切ったホラーを作る事で、あそびごころ。に新しい風を吹かせる事が大事だ」と意見しました。結果、チームがそれに賛同してくれ、現在リリースされているタイトルに至ります。デザイナーが制作する画面がホラーすぎて、それを見た他部署の社員に心配されたのも、良い思い出です。
具体的に心配された内容はネタバレになるので詳細は控えます(笑)

参考は良いが、干渉はされるな」は私がよく使う言葉です。我々は自分たちで文化を生み出す事が価値だと考えています。ユーザーさんの意見はもちろん大事です。ですが、そこに引っ張られすぎた結果、新しいことが何もできなくなる事を避けています。

グラフィックは2Dと3Dがありますよね。どのように使い分けていますか?

2015年~2016年は、脱出ゲーム市場的に2Dと3Dの作品が分かれていった時代でした。この頃、弊社でも、3Dのタイトル「脱出ゲーム Cottage」をリリースしました。3Dは現実っぽさをいかに出せるかが大切です。光の反射や人の等身をリアルにして、現実とほぼ同等の背景を表現しています。もちろん、2Dの良さもあります。2Dは非現実的な表現に向いています。我々のヒット作に多いのは非現実的なシチュエーションです。例えば、思い出の中や不思議な空間などのシチュエーションは2Dで制作しています。

2Dタイトルと3Dタイトルの背景

過去の脱出ゲームタイトルの、ヒットランキングを教えてください

1番のヒット作は、「縁日からの脱出」です。ヒットランキング上位で印象的なのは「ねこのへやからの脱出」ですね。このタイトルは、リリース当初、色々なYouTuberが自身の動画で取り上げてくださり、ヒットに繋がりました!動画も200万回再生と、好調だったようです。1位~5位は、こちらです。

1位:縁日からの脱出
2位:あの夏の日から脱出
3位:ぼくのおねがいきいて
4位:ねこの部屋からの脱出
5位:雨宿りからの脱出

ランキング順のアプリアイコン※左から1位
ランキング順のアプリアイコン※左から1位

長年御社タイトルファンのユーザーさんもいますよね。コアなファンをつけるための工夫があればぜひ教えてください!

コンセプトの多様性だと思います。これは作り手の精神ですが、「ゼロから何か生み出すことに、どのくらい重きを置いて出来ているか」だと思います。「あそびごころ。」のヒット作は、エモいタイトルが多いのですが、時にはそれを裏切るものも作ってみることが大事だと考えています。
デザイナー、プログラマーが0→1を作るとすると、プロデューサーの私は1→100にする役割分担です。そこは意識してやっていますね。

御社のこだわりポイントを聞かせてください

タイトルの中に、今まで遊んでくれているユーザーさんにしかわからない”遊び心“を盛り込む事です。具体的には、謎解き中に、過去作のテイストを入れこんでいます。

例えば、「ウセモノターミナル2」というタイトルがわかりやすいです。
謎解き中に答えをキーボードで入力する場面で、特定の間違いを入力する事で発動する様々な裏トリックが仕掛けられています。例えば、「あそびごころ」と入力すると、ファンへの感謝のメッセージを見ることができます。また過去の作品のタイトルを入力すると、簡単なあらすじを見ることができます。

「ウセモノターミナル2」イメージ

収益モデルである、広告マネタイズについて教えてください

今までのマネタイズの経緯はどうだったのでしょう?

現在は、バナーと動画リワードでマネタイズをしていますが、当初はバナーのみでマネタイズしていました。この頃は、アドネットワーク1社を利用していました。

2016年ごろから、直アドネットワークを3社利用し、自社のアドサーバーでのメディエーションをはじめました。自社アドサーバーの機能はアドネットワーク各社のCPMを元に、手動で1番高いアドネットワークに比率を振るものでした。アドサーバー機能を利用するようになって、収益の機会損失が減り、当初に比べ収益改善をすることができました。

2016年以降は、動画リワードフォーマットが盛り上がっていたので早速取り入れてみました。導線は、謎解き中にヒントを見たい場合、動画を視聴することでヒントが見れるというものです。動画リワードで利用していたのはアドネットワーク1社のみでした。バナーは2016年頃と変わらず、アドネットワーク複数を自社メディエーションしていました。

2017年から、バナー広告でfluctSSPとfluctのGoogleAdExchange(以下AdX)を導入しました。

fluctを導入してみて、いかがでしたか?

バナーの売上が約120%改善し、安定しました!
改善と安定の理由は2点あります。一つは、CPC課金型のアドネットワーク各社と、imp課金型広告の運用を行ってくれるところ。もう一つは、AdXを導入できたことです。

imp課金型の広告を配信できて良かったと思ったのは、CPC課金型アドネットワークのCPMが不調だったからです。よって、当時は毎朝アドネットワーク各社の比率変更の検討をしていました。ですが、fluctはCPC課金型アドネットワークの他に、imp課金型の広告である、RTB(DSP)やAdXの広告の配信ができます。

また、同枠でAdXとfluctSSPを導入し、収益が最大化されるよう運用していただいています。毎朝行っていたアドネットワークの比率分けを、今はfluct側が担ってくれているので、私自身、他の事に注力できる余裕が生まれました

現在、fluctのAdXは動画リワードでも利用していますよね。AdX動画リワードご導入のきっかけを教えてください

当時、ユーザーさんの謎解きレベルが上がり、ヒントと動画リワードの視聴率自体落ちており、動画リワードの既存枠で収益を改善する必要に迫られていました。AdXは、バナーで好調な実績があったので、AdX動画リワードもCPMが高いだろうという期待があり導入に至りました。1stリクエストがAdX動画リワードです。そうすることで、動画リワードの売上を伸ばすことに成功し、この課題を解決することができました。

AdX動画リワードを導入して良かったところを教えてください!

CPMが抜群に高いところです。iOSでCPM3000円以上で配信される事もあります。配信割合も高く、枠の全体impのうち7~8割がAdX動画リワードから配信されます。AdX動画リワードは、Googleのブランド予算が多いのです。よって、1stリクエストに置く事で良質なリクエストに対してブランド予算を配信することができます。

「あそびごころ。」は開発終了となりますが、最後にユーザーさんに伝えたいメッセージをお願いします

今回は、突然の開発終了を残念に思っています。ここまで応援してくださって本当にありがとうございます!「あそびごころ。」はなくなりますが、どこかに「あそびごころ。」で人生がちょっとだけ変わった人がいると思うんです。そして、そんな方々が自分なりの”遊び心”を思い出して、何かの形を残していってくれたら本望です。
今まで蒔いてきた「あそびごころ。」のタネから、”遊び心”の花が咲いていってくれる事を願っています。

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