『comico』にきく!MoPub x fluctの活用術!大手コミックアプリ広告マネタイズの変遷とパフォーマンスに迫る

アプリソリューション本部コンサルタントのはなしーこと花島です!今回は大人気コミックアプリ『comico』を運営されているNHN comico株式会社のマネタイズ担当 浜野さまに、fluctの活用術や昨今話題の外資メディエーションツールの実績についてお伺いしました。

お話を伺ったのは・・・・・・

NHN comico株式会社 サービス開発室 浜野美穂子氏

NHN comico株式会社 サービス開発室
浜野美穂子氏

comico』とは

『comico』とは大人気漫画・ノベルサービスです。タテ読みスタイルが多いのが特徴で約200作品以上のオリジナル漫画とオリジナルノベルが毎日更新されています。

アニメ・実写映画化された『ReLIFE』やアニメ・ゲームでも大人気の『ミイラの飼い方』など多くの人気作品を世に出しています。

また、投稿機能を利用したオリジナル漫画やノベルを自由に投稿できる「チャレンジ」機能を使って、作品を公開・評価してもらったり、日々生まれる「チャレンジ作品」を楽しんだりすることができます。

毎日無料でもらえるポイントやレンタル券も多く、無料でサクッと気軽に、気に入った作品はコインで購入してじっくり楽しめます。

ダウンロードはこちらから

https://apps.apple.com/jp/app/comico/id721512660

https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.comico&hl=ja

『comico』について

花島:御社・担当者さまの紹介をお願いします!

浜野さん:NHN comico株式会社の浜野です。
『comico』は世界累計3,500万DL(ダウンロード)、日本国内では1,900万DLのコミックアプリです。ユーザー属性は男性15%、女性85%と女性人気が高いです。
年齢層は20代前半〜20代後半が40%を占めていますが、10代から40代以上の方まで幅広いユーザーがいらっしゃいます。55%以上が週4日以上利用してくださっています。

花島:女性比率が高いのですね!『comico』はフルカラーコミックや少女漫画が多いのも魅力の一つですよね。

ユーザーの利用状況

花島:マネタイズの変遷について教えてください。

浜野さん:コンテンツ課金、広告マネタイズともに2016年から開始しました。

花島:「コミック」という従来買い切り型のコンテンツに広告を入れるのはハードルがあるかと想像したのですが、その解決方法はどのようなものでしたか?

浜野さん:広告マネタイズにノウハウのあるメンバーがいなかったため、まず情報を集めるところから始めました。広告出稿でお取引のある社外の方たちにメディア担当の方を紹介いただいたり、スマホ広告のトレンドや他メディア様の成功事例をご共有いただいたりして、参考にしました。
また、広告を配信することで、アプリの課金率や継続率にマイナスな影響が出ないか?など不安要素がありましたが、翌日・1週間後継続率や課金率などのKPIをモニタリングし、探り探り実装を進めました。

花島:今まで試された広告の種類を教えてください。

浜野さん:動画広告、バナー広告、動画リワード広告、オファーウォールなどを配信中です。インタースティシャル型の広告は縦読み作品が中心の『comico』とは現状フィットしにくく実装していません。

花島:広告導入の際には課金・ユーザー行動への影響はございましたか?

浜野さん:課金率には特に影響は見られませんでした。

現状のマネタイズについて

花島:現状のマネタイズについて教えてください。

浜野さん:課金・ネットワーク広告・純広告を配信しております。
課金の導入箇所は、作品の先読みや購入の部分です。今まで試したことのある導線や企画としては「まとめて購入割引」や「ポイントプレゼント」などがあります。

浜野さん:ネットワーク広告については動画リワードの売上が過半数を占めています。『comico』ならではのこだわりとしては、クリエイティブ・タイミングなどのテストの結果等、eCPM実績を見ながら再生回数の調整をかけています。例えば、バナーを置く場所を変えて Viewable IMP がどれだけ上がるか、CTR がどれだけ上がるかなどを見ていました。また「comicoキャラ」を用いたオリジナルクリエイティブのご提案もしています。

純広告については、アプリHome画面の動画広告の需要が高い状況です。また、タイアップ企画なども実施しております。

動画リワードについて

花島:先ほどネットワーク広告の大半を占めるとおっしゃっていた動画リワード広告について詳しくお聞かせください。

浜野さん:はい。現在はネットワーク広告の中で大半を動画リワード広告が占めており、ログインボーナス、作品レンタル券、受け取りBOX、購入確認ダイアログの4箇所に設置しています。

①ログインボーナス枠

ログインボーナス枠

トップページから視聴可能 1視聴で25P(=1話分)を配布
1日5回まで視聴可能

②受け取りBOX枠

受け取りBOX枠

「受け取りBOX」のページ上部から視聴可能
1視聴で25P(=1話分)を配布 1日1回まで視聴可能

③作品レンタル券枠

作品レンタル券枠

オリジナル漫画を読む際に「作品レンタル券」が必要となり動画リワードを配信
1視聴で1話漫画を読むことができる
作品ごとに回数制限あり

④ 購入確認ダイアログ枠

購入確認ダイアログ枠

所有する「作品レンタル券」が枚の時にのみ表示される
動画リワードを視聴することで無料の漫画を読むことができる
1視聴で1話漫画を読むことができる
作品ごとに回数制限あり

(fluctmagazine編集部追記)
comicoでは有料の「コイン」、無料の「レンタル券」・「ポイント」で作品を読むことができます。「コイン」はマイページの「コイン購入」より通常120コインを120円で購入可能です。
作品によりますが、漫画購入が41〜51コイン程度のところを、③④の導線では、動画リワードを視聴することで無料でレンタルすることができます。

花島:今の導線に到るまで試された結果も教えていただけますか?

浜野さん:IMP数や収益のバランスを検討した結果、いまの導線となりました。一般的にログインボーナスにあたる枠は、アプリHOMEの右下にアイコンを表示させています。この導線のつけ方は社内のデザイン担当のアイデアで実装しました。

花島:『comico』のログインボーナスアイコンはポイントが明記されており、初めての方でもわかりやすいデザインですよね!

花島:メディエーション内での配信順序の決定や運用の際は、どのような基準で順位を選定とその評価をされておりますでしょうか?

浜野さん:基本的にはツールのほうで配信実績を元に最適化されるため、大きな案件が入ることが事前に分かってアドネットワークのご担当様からご提案があった時など手動で調整を行います。

花島:浜野さんの思われる動画リワード広告導入のメリットはなんでしょうか?

浜野さん:バナー、動画ネイティブなど他の広告フォーマットと比較してeCPM単価が高い点です。

花島:他フォーマットと比較すると単価はかなり高いですよね。
話がそれてしまうのですが、個人的に『comico』さまのサービスの中で素敵だと思っているのが「応援システム」です。
作品の読み終わりに表示されるハートの「応援ボタン」を押して「応援」することができるシステムで、無料で1回まで、また有料のコインでさらに「応援」することができます。「応援」はランキングに反映されて、書籍化、アニメ化、グッズ化などの展開につながるチャンス。1話読み終わるとに必ず1回押せるので、リワードでもらえる無料チケットやポイントでたくさん読むことでもお気に入りの作者さんを「応援」し、未来を後押しできるのが素晴らしいなと思っています。

メディエーションツールについて

花島:現在広告配信ではどのようなツールをお使いでしょうか?

浜野さん:メディエーションツール(後述*2)を利用しており、そのうちAppLovin社のMAXとTwitter社のMoPubを利用中です。
2社を選んだ理由としては連携アドネットワーク数と In-APP Biddingの対応で選びました。

花島:それ以前は何をお使いでしたでしょうか?

浜野さん:SSP や自社ウォーターフォール(後述*1)を試しました。自社ウォーターフォール運用は収益面がメリットでしたが、デメリットは運用のコストがかかる点でした。アプリでも HeaderBidding が可能になり、提案頂くことが増えたことがきっかけでメディエーションツールに切り替えようと考えました。
メディエーションツールは基本的に配信実績により配信順位が自動で最適化されるため運用のコストが軽減されました。

ウォーターフォール配信とは…*1

ウォーターフォール配信とは広告ソースを滝のように縦列に連ねて約定するまで広告リクエストを送り続ける配信方式です。

実際の配信ではリクエスト毎にCPMが変動しますが、順位の変更が手動のため、下図のように下位のデマンドの方が高いパフォーマンスが出せる可能性があった場合に収益機会損失が生じてしまいます。

ウォーターフォール配信

メディエーションツールとは……*2

メディエーションツールとは複数の広告ソースを一元管理できる広告配信ツールです。

広告ソースのウォーターフォール配信順位はメディエーションツールが各社の配信実績を元に自動調整します。

メディエーション配信

花島:メディエーションツールを導入してみてよかったのはどんなところでしたか?

浜野さん:アップデートなしで Placement の追加が可能なところです。
メディエーションツールと公式連携されているアドネットワークに関しては、連携が自社ツールの時よりも開発工数をかけずに実装することができるようになりました。
ここは開発担当からも実装がよりシンプルになったと好評でした。
また、アドネットワークのPlacementを追加する際にもアップデートなしで対応することができるようになり、アドネットワークによっては数分で設定を変えることが可能になったので、案件状況によってPlacementの追加が柔軟に対応できるようになりました。

花島:もっと改良されると嬉しいところはどのようなポイントでしょうか?

浜野さん:各アドネットワークとのレポートの連携がもっと便利になると嬉しいです。

fluctSSPの導入について

fluctSSPとは

fluctは、国内最初で最大規模のSSPです。

RTB(Real-Time Bidding) とアドネットワーク SDK のメディエーションを組み合わせた配信最適化を行なっております。fluctSSPをお使いいただくことで、一括管理された多くの事業社の中からもっとも高い案件を配信することが可能です。

fluctSSPですべてのimpを配信する他に、 comico さまのようにメディエーションツール(現在はAdMobとMoPubに対応・その他も順次開発予定)内での配信が可能です。

SDK や実装についてはこちらでもご紹介しております。

例えば、DSP に対しては fluctが行う RTB(Real-Time Bidding) に必要な情報(IDFA・Bundleなど)を送り、最も高単価な入札を行ったDSPをオークション勝者とし配信権利を渡します。

また、アドネットワークに対しては fluct 独自の CPM 最大化ロジックを活かした最適化配信を行っています。DSP でオークションが開催されなかった場合や、勝者の単価が下限価格(Floor-Price)よりも低かった場合にアドネットワークが配信されます。

花島:fluctSSP を導入されたきっかけについてお聞かせください!

浜野さん:動画リワード実装の際、当初は他のSSPを利用していたのですが、ご提案をいただき導入に至りました。

花島:fluctSSP を利用するメリット・導入してみてよかったのはどのような点でしょうか?

浜野さん:広告配信に関するノウハウを多くお持ちで各アドネットワークさんとの結びつきも強く、鮮度の高い情報を提供してくださるところです。

花島:現状の fluct のパフォーマンスはいかがでしょうか?

浜野さん:iOS・Android ともに連携しておりますが、特に MoPub 経由で fluct を配信できるようになった時に全体のパフォーマンスが上がりました
DSP配信も増えてきており、comico のユーザー属性と相性の良い案件も配信出来ており非常に助かっております。

花島:『comico』では fluct 以外にも多くのアドネットワークをご接続されておりますが、SSP からでしか配信のできない DSP の比率が約40〜50%ほどと大きな割合を占めておりますことが、fluct の活躍できているポイントと考えています。
デマンドや時期によりけりですが、平均CPMの3〜4倍の CPM で買い付けているデマンドもございます。
またアドネットワークのメディエーションもご利用いただいておりますが、『comico』で直契約されているデマンドが fluct 経由でもご活躍されていることも多くございますね!

花島:もっと改良できると嬉しいところなどございますか?

浜野さん:海外アドネットワークの In-APP Bidding 対応に期待しています。

最後に一言

浜野さん:担当頂いている花島さまをはじめ、fluct さまは対応が迅速かつ丁寧で、広告会社さまとの調整力もあるため非常に助かっております。今後もパートナー様として良い関係を築いていけたらと思っております。

花島:浜野さま、ありがとうございます。
『comico』は魅力的な作品とオリジナル作品を多数掲載されており、毎日新しい作品に出会えるアプリです。私も毎日作品をチェックしています!(「転生したら王女様になりました」にハマり中です!)みなさまも隙間時間や休日のお供にぜひ楽しんでみてください!

comicoさまでもご利用いただいております、動画リワード広告はユーザーが報酬を得るために自発的に動画視聴します。そのためユーザーへストレスを与えにくく、媒体社も安定して収益を得ることのできるツールです!広告は多くの媒体で導入されており、その収益から運営や新たな開発に活かされています。

またインタビューの中でもありましたように、課金やユーザー行動への影響も少なく、逆に導入にはユーザーメリットとして「好きな作品をたくさん読める」ことや「動画リワード広告による課金の擬似体験から課金を始めさらに作品を楽しむ」ことにもつながります。

広告在庫は市場全体の配信量が増えないと向上しにくく、コミックアプリ全体の在庫量を増やし活性化することがコミックアプリ全体を盛り上げることに繋がると fluct は考えています。
興味を持たれた方は fluct までぜひお気軽にお問い合わせください!

fluct magazine 編集部からコミックアプリ運営社さまへ

貴社媒体のマネタイズについて、一度お話を聞かせていただけませんか?

fluct magazine 編集部では、日々インタビューさせていただける事業社さまを探しております。その中でも国内シェアの高い「コミックアプリ」さまのご経験やマネタイズの紆余曲折について読者さまにお届けできればと思っております。

fluctでは多くのコミックアプリでの配信実績あり、アプリの性質やご状況に合わせた配信設計のご提案も可能ございます。

ご興味を持っていただけましたらお気軽にご連絡ください。

ご連絡は、株式会社fluctアプリソリューション本部

花島瑞希(mizuki_hanashima@voyagegroup.com)まで。