本記事では「課金マネタイズ編」として「アプリ内課金を促進する6つの施策」をお届け致します。今回はカジュアルゲームにおける課金メニューの設計や課金促進させるための2社ならではのポイント、成功&失敗した課金施策などを詳しくご紹介します!
Q1:課金アイテムや広告非表示など、課金の導入導線について教えて下さい
『なめこの巣』では、
・アプリ内通貨(なめたま)、
・サブスクリプションアイテム(なめこの巣協会特別会員権)
の2つの課金アイテムを用意しております。
「なめこ協会特別会員権」を購入すると30日間のバナー広告削除、ログインボーナスの強化、レアアイテムなどを報酬として受け取れます。こちらはユーザーのログイン率を向上させることを目的とした課金アイテムです。
弊社運営アプリでは課金の形式はほとんど決まっており、
・ゴールドやダイヤなどのアプリ内通貨
・バナー広告の削除
・動画リワードスキップ券(動画リワード広告の視聴をスキップして報酬を受け取ることが出来る)
・報酬をグレードアップするシステム追加(動画リワード広告の視聴後に与えられる報酬をグレードアップさせることが出来るもの)
などを実装しています。
ほとんどのユーザーが動画リワード広告を視聴するため、動画リワード広告に対して課金要素を追加することにより、ユーザーの課金欲を刺激する狙いです。
Q2:課金導線において、課金を促進するためのポイントを教えて下さい
『なめこの巣』では主に3つの工夫を行っています。
1つ目は、「アプリ内通貨に幅広い用途を持たせること」です。このアプリでは、「初心者・中級者・上級者」という分け方はせず、「遊び方」で主に3つのユーザー属性に分けています。そして施策を検討する際は、常に「どの属性のユーザーにとってメリットがあるか」を考えています。
①ランク上げ、クエストクリアを楽しむユーザー向け
この属性のユーザーにとっては、サクサクとシナリオをクリアできるスピード感が重要。そのため、「素材生産の早送り」など、ランク上げがしやすい機能を配置して、そこになめたま(アプリ内通貨)が必要になるように設計している。
②なめこ図鑑をコンプリートしたい収集好きのユーザー向け
なめこの種類を増やすためには、巣のキャパシティ=「家」を拡張する必要があるので、図鑑収集において「家」は需要の高いアイテム。一部の「家」の開発素材になめたま(アプリ内通貨)を指定している。
③なめこや世界観が好きなコアユーザー向け
より見た目にこだわって巣を作り込んでくれるユーザー向けには、巣の飾り付けやなめこのきせかえをするアイテムの中に、なめたまでしか獲得することができない通常よりも少し豪華なアイテムを用意。
2つ目は、「アプリ内通貨が必要な機能に無料枠を用意すること」です。本来なめたま(アプリ内通貨)が必要な機能を無料で使用してもらうことで、その機能の便利さを知ってもらうことを目的として導入しております。
3つ目は、「課金メニューにおまけアイテムをつけること」です。具体的には、「空のバウム」という通常ではなかなか手に入りづらいアイテムを、課金メニューのおまけとして設定しています。「空のバウム」はレアリティが高いので、なめたまや「なめこの巣協会会員権」などのメニューにより高い付加価値を感じて購入してもらえるように設定しています。
主に3つの施策を行っています。
1つ目は、「課金アイテムの期間限定セール」です。
これを定期的に行って、無課金ユーザーの課金転換を目的として導入をしています。
2つ目は、「初心者パックの導入」です。
ゲームアプリをたくさんプレイしている方は、インストール後すぐに初心者パックを購入するという動向があります。ですので、どのアプリにも基本的に予め初心者パックを導入しておくようにしています。
3つ目は、「特定アクションからの限定商品」です。例えばプレイヤーがゲームオーバーになったタイミングで時間制限を設けてアイテムが出現するようになっています。
上記の3つ施策でユーザーの課金欲を刺激するような設計になっています。
Q3:アプリ内イベントを企画しリリースするまでの流れと、運営体制を教えてください
『なめこの巣』開発チームは、少しでも関わっているメンバーを全て含めると10名ほどの大所帯になりますが、主には開発担当1名、プロモーション担当1名で企画・運営を行っています。
開発担当は、仕様の策定、グラフィック、シナリオ執筆から進行管理まで幅広くカバーしています。
プロモーション担当は、売上と集客の管理をはじめユーザー対応、イベント企画や追加機能の提案など運営に関わる部分をメインで行っています。
イベント周りに関しては、開発担当・プロモーション担当の2名で、向こう3~6ヶ月くらいの大枠のスケジュールや内容を話し合って決めます。
イベントリリースが近くなってきたら、他メンバーにも広く意見を募集をし、イベント名や限定アイテムのアイデアを自由に出してもらい、詳細を詰めていきます。
より遊び心地を良くしたり、収益性をあげたりなど追加機能については、『なめこの巣』チーム全体からアイデアをもらうこともあれば、ユーザーからのフィードバックやアプリのパフォーマンスを踏まえてプロモーション担当から提案することもあります。
運営体制についてはデザイナーが1名、プログラマーが1名をメインとし、マーケティング担当者が日々の間接的なサポートを行っております。
イベントの企画は最初に課題抽出を行い、これに対して『どのKPIをどうしていきたいのか?』を考えてアイデアを出していきます。
例えば、「動画リワード広告の平均視聴回数を10回から12回に増やしたい」「リテンション率を50%から60%に上げたい」などの課題を抽出し、イベントを作成していきます。
イベントを企画してから1〜2週間くらいで実装が完了します。ユーザーのキャリア決済や、給料日などの兼ね合いで月末月初の課金が伸びる傾向にあるため、だいたい月末や月初を目処にリリースするようにしています。
Q4:成功した課金施策、失敗した施策など教えて下さい!
(成功事例に関して)前述した課金を促すという課題に対して「初心者パック」と、「期間限定セール」を導入したところ、売上に大きく貢献しました。
(失敗事例は)初期の頃に「初心者パック」を見越してアプリを設計出来ていなかったことがありました。
ユーザーにメリットを感じていただけないところに動画リワード広告の導線を実装していたり、アプリ内通貨が販売出来るほどの価値がなかったりなど、「初心者パック」が組みづらい設計でした。
今はこれらの反省点を活かし、あらかじめ「初心者パック」を導入しやすい仕様になっています。
サブスクリプションアイテムの『なめこの巣特別会員権』に対して期間限定セールを行ったことがあります。
価格を半額近くまで下げたことで、多くのユーザーに新規で購入していただきました。また、セールをきっかけに購入したユーザーにアイテムのメリットを感じてもらえたことで、通常価格となる翌月以降も購入していただけるようになり、課金収益の底上げに寄与しました。
ありがとうございます!
次回は広告マネタイズのセクションのウェビナーレポートをリリース致しますのでお楽しみに!
“カジュアルゲーム、アプリ内課金を促進する6つの施策〜ウェビナーレポート①” への0件のフィードバック