本記事ではローカライズ「海外配信における国別のとリテンション率と刺さるクリエイティブ」をお届け致します。ここでは、2社が実際に配信している国の特徴や、国ごとに刺さるクリエイティブの違いなどざっくばらんにお話いただきました。
Q1:ローカライズして配信している国と、その国を選んだ理由を教えて下さい
中国語と英語に翻訳しています。
大前提ですが、Cybergate自体会社が香港にあり、繁体字、簡体字が他社よりもネイティブなものに変換しやすいということがあります。英語にも対応出来るメンバーがいるので、こちらもよりアプリになじみやすく翻訳が可能です。
ローカライズというほどではなくアプリの仕様は変えず、言語の翻訳のみ行ってリリースしています。リリース後は、リテンション率を見て日本と遜色のない国、または少し下回る程度の実績のある国を選び、積極的にプロモーションを行っています。
『なめこの巣』は、繁体字版、簡体字版、英語版でリリースをしています。
繁体語圏(=台湾)は、もともと「なめこ栽培キット」が人気を博していた地域だったため、キャラクターの認知度や人気も十分あるという実績に基づいて、海外版の配信先として選定しました。
簡体字版は、繁体語圏と親和性がある簡体語圏でも「なめこ」が受け入れられるのでは、という仮説と、そもそも人口が多い=市場規模が大きいという2点からリリースしました。
Q2:ローカライズまでに必要なステップとリリースまでの期間について教えて下さい
基本的には社内で言語翻訳を行うだけなので特に複雑なステップはありません。
まずは日本語・繁体字簡体字で通常リリースします。日本語版も海外のユーザーがダウンロードしてくるので、その国ごとのユーザーの動向を見てどの国に翻訳を行うかを決めます。
またプロモーションを行う上でのクリエイティブですが、「かわいい」という印象は、日本とアジアであまり変わらないようなので、女性ウケするクリエイティブを中心に作成しています。
他、日本ではゲームの内容を明確に理解してくれるようなもの、中国・台湾では、ゲームの細かい内容ではなくインパクト重視で作成しています。例えば、レベル500になったときの画面上の派手さにフォーカスして爽快感を重視したクリエティブにする、などです。
『なめこの巣』は基本的に翻訳程度ですが、詳しくは下記のステップで行っております。
①ローカライズが必要な箇所の洗い出し
②翻訳担当会社さんと翻訳の方針についてのすり合わせ(意訳も可としています)
③翻訳完了
④画像リソースのローカライズ/ローカライズテキストの流し込み
⑤実装
⑥チェック
翻訳、データ作成、実装、チェック、すべて合わせると、作業期間は1言語につき1ヶ月強くらいになります。
Cybergate様とは違う点として、翻訳についてはなめこのキャラクターの特徴を十分に理解していただいている外部の翻訳会社さんにローカライズの対応をお願いしています。
長年お付き合いがあり、キャラクターも気に入っていただいているので、スムーズにやりとりが出来て大変助かっています!
Q3:日本と比較してローカライズしてみた結果、良かったところ、悪かったところ、予想と乖離したところ、を国ごとに教えてください
広告収益は、中国と台湾のCPMが非常に高かったです。
特に中国のiOS、台湾のAndroidが予想よりも大きく上回りました。例えば日本だとCPM$20のアプリが中国だと$30程の実績になるなどです。
東南アジアは予想通りCPMが低く、獲得におけるCPIは低単価ではあったのですが、今のところ微妙だと判断しています。
リテンションは、日本と同水準もあればアプリによっては全く受け入れられないこともあったりとまちまちです。
『ハコハコ商店街』というアプリは日本と中国では同水準、次にオーストラリア、ニュージーランドと続くような感じになっていたり、『世界の半分』というアプリは日本よりも中国が著しく低いなど様々なデータがとれています。
翌日のリテンション率は、日本はオーガニック流入で50%、中国は40%、広告経由の流入だと日本で70%、中国で60%くらいの数値感です。
経路 | 日本 | 中国 |
---|---|---|
オーガニック | 50% | 40% |
広告 | 70% | 60% |
弊社の別アプリの例になりますが、『なめこ栽培キット ザ・ワールド』では、台湾で出稿した際にダウンロード数が非常に伸びたことがありました。
また、出稿して露出を増やしたことがきっかけで、ユーザーの頭の片隅に「なめこ」のイメージを残すことができたのか、オーガニックの流入も大幅に増えました。
日本と比較して台湾は人口規模が小さいので、より影響が大きかったのではないかと判断しています。
Q4:今後配信しようとしている国はありますか
欧米での獲得を伸ばしていきたいです。
すでに配信はしているのですが、単純に市場規模を見ても、より多く獲得していきたいです。広告マネタイズにおけるCPMも非常に高いため期待している市場です。
英語圏での配信を検討しています。
GDPRなど法律まわりの対応コストや過去に配信した際の収益結果があまり良くなかったことが参入障壁となっているのですが、ただ、人口規模を考えると期待できる市場なのでぜひ配信したいと考えています。
ありがとうございました!
次回はSNSマーケティングのセクションのウェビナーレポートをリリースいたします。お楽しみに!
“カジュアルゲームアプリの海外配信における国別リテンション率と刺さるクリエイティブ〜ウェビナーレポート③” への0件のフィードバック