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ヨーロッパのインターネット広告市場ってどうなってるの?(後編)

前回の、ヨーロッパのインターネット広告市場ってどうなってるの?(前編)ではヨーロッパの広告市場について調べました。

そもそも注目した理由は、以前紹介したアメリカのSSP3社がヨーロッパに支社を置いていたからです。

  • Admeld イギリス-ロンドン、ドイツ―ベルリン
  • PubMatic  イギリス-ロンドン
  • rubicon project イギリス-ロンドン、ドイツ―ハンブルグ、フランス-パリ

しかもこのイギリス、ドイツ、フランスは前回グラフでご紹介したように、ヨーロッパのインターネット広告費第1~3位に入る国です。

ヨーロッパの中でこの分野において成長著しい市場に拠点を置くことで、さらに自社の勢力を拡大していることがわかります。

それでは、ヨーロッパでSSPを提供しているのはこの3社だけなのでしょうか。

ここにヨーロッパのDISPLAY ECO-SYSTEM MAP(日本での通称カオスマップ)があります。

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※ページ内の”Download your free copy here.”をクリックすると拡大して見ることができます。

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Sell Side Platformsを拡大して見てみると、上記の3社以外に2社記載されているのがわかります。

これはヨーロッパに本社を置くSSPなのでしょうか。

 

このAdmeta・Improve Digitalの2社と、ここではアドネットワークに属しつつもSSPでもあるJemm Mediaの3社に焦点を当て、ヨーロッパのSSPを調査していきたいと思います。

ヨーロッパのSSPとは?

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※画像をクリックすると資料をアップしたSlideshareに遷移します。(2012年4月13日作成)

※SSP(Sell-Side Platform) メディアの広告収益を最大化させる仕組みです。

ADMETA

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~ヨーロッパで最初のSSP事業者~

会社・経営陣

  • 2002年に広告主や広告代理店向けにアドトラッキングサービスを提供する企業として、スウェーデンに設立。以降、スウェーデンのみに支社を置く。
  • 2012年1月、セールスチームに新たに3人迎える。その内の一人は支社のストックホルム(新オフィス)への配属となり、首都での営業強化も開始。
  • ヨーロッパで最初のSSP事業者。

サービス

  • 広告主や広告代理店向けのサービスを提供し続けながらも、直近ではSSPの更新に関するリリースが目立つ。
  • 主力サービスは2つ。Admeta Tango(媒体社やネットワーク向けの収益最大化サービス-SSP)、Admeta Echo(広告主や広告代理店向けのキャンペーンマネジメントサービス)
  • Admeta Tangoは、2008年にリアルタイムで最適化できるサービスとしてにベータ版をリリース。2009年にVer. 1.0をリリースし、3か月で月間10億インプレッションを突破。2011年に、月間100億インプレッションを突破。
  • リターゲティング機能やRTB対応をリリース。現在ではプライベートエクスチェンジも提供。
  • 主にヨーロッパの大手パブリッシャー向けにサービスを提供。

今後

  • 2012年1月にIAB Swedenへの加盟を発表。現在スウェーデンでは500種類を超える広告フォーマットが存在することで広告主を悩ませており、Admetaはこうした広告フォーマットのガイドラインのレビュー会に今後参加予定。

サイト: http://www.admeta.com/

 IMPROVE DIGITAL

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~主力サービスはプライベートエクスチェンジ~

会社・経営陣

  • 2007年にMicrosoft Media NetworksのEMEAのディレクターだったJoelle Frijters氏(CEO)と、オランダ初のオンラインメディアエージェンシーでメディアディレクターとしてキャリアを積み、会社設立経験を持つJanneke Niessen氏(CIO)の2人の女性がオランダで設立。
  • 2011年10月にDeloitte Rising Star Award 2011で優勝し注目を集め、現在は2012 Red Herring Europeという、ヨーロッパで最も革新的で将来性がある上位100社にノミネートされている。
  • 上部にあるカオスマップを提供しているのもこの企業である。

サービス

  • 主力サービスは360 Private Ad Exchangeである。SSP事業者では比較的に珍しくプライベートエクスチェンジに特化した企業である。
  • 360 Private Ad Exchangeは、ヨーロッパで幅広く支社を展開することにより蓄積したローカル市場の深い見識を活かし、国によって違う市場の特殊性に対応するようデザインされている。これにより、パブリッシャーは独自のプライベートアドマーケットやプライベートエクスチェンジを構築が可能に。
  • 250以上のアドネットワークと提携。

今後

  • イギリスで有名な新聞社や世界規模の雑誌社でキャリアを積んだメンバー、Wunderloop(Audience Scienceが買収)の元イギリス マネージングディレクターを迎え、ロンドンを拠点にイギリスでのビジネス拡大を足早に進めている。

サイト: http://www.improvedigital.com/en/

jemmgroup

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~アドネットワークの顔も持つSSP事業者~

会社・経営陣

  • 2007年にイギリスで設立。創業者のMatt Whaley氏はインターネット広告の業界団体IASH(Internet Advertising Sales Houses)の会長を務める。
  • SSP専業ではなく、アドネットワーク事業も運営。

サービス

  • 2011年11月にSSP分野において、ADSOVOと合併。これにより不適切な広告の排除、素早く正確に適切な広告在庫の提供を可能にした。両社は、各パブリッシャーに合わせた使用感を大切にするというビジョンを共有。合併はそれを推進するため。
  • 2012年2月にSSP分野において、AppNexusと提携し、AppNexusのテクノロジープラットフォームを利用すると発表。Jemm Groupは今までのアドネットワークから、RTB対応のネットワークへ進化し、このプラットフォームに移行してからCTRは3倍近く伸びたと説明している。
  • 2012年2月にJemm Platform Servicesを発表。パブリッシャー、マーケター、広告代理店向けに一元管理されたオンラインキャンペーンの管理・分析プラットフォームを提供。カスタマイズ可能なのでよりシンプルで使いやすいダッシュボードの提供が可能となる。

今後

  • 2012年末までにJemm Platform servicesは15社の利用を見込んでおり、この数もさらに上回る可能性があると説明。
  • 今後も広告主向けには最適なパフォーマンスの実現、パブリッシャー向けには収益最大化とブランド価値の保護実現を同時進行で目指す。

サイト: http://jemmgroup.com/

 

まとめ

日本で話題のキーワードは押さえている

アメリカのSSPなどに比べて、あまり細かい機能については公表されていません。しかし、ヨーロッパ発のSSPにおいても、日本で話題となっているRTBやプライベートエクスチェンジを積極的に行っていることがわかります。また、Improve Digitalのようにプライベートエクスチェンジをほぼメインで提供する事業者も登場していますね。

ヨーロッパ全土で使われるサービスを常に視野に入れる

日本ではまず日本において最も利用されるサービスを目指す企業が多いように見えますが、ヨーロッパにおいては自国のみならず、ヨーロッパ全土で利用されるサービスを同時に目指す企業が多いように思います。そのために、ヨーロッパ各国に支社を置く事業者もいます。EU(欧州連合)としてヨーロッパの地域統合体があるように、全土に利用されるサービスを目指すことで、急速な成長の足掛かりとしていくのでしょう。

まずは国内で利用しやすいSSPを展開

インターネット広告費が急増する一方で、スウェーデンでは広告フォーマットが500種類も存在すると紹介しました。一つの国の中でも、統制しきれていない一面があるようです。これは今後の市場成長を鈍化させる一因になるのかもしれません。ヨーロッパにおいては、そういった広告市場の課題解決にSSP事業者が協力していくことがパブリッシャーの期待に応えることにつながり、SSPサービスの発展にもつながっていくように思います。

 

ヨーロッパ市場はそれぞれの地域で独自の言語、ビジネス習慣、法律、通貨が存在しています。このためヨーロッパで生まれ、ヨーロッパで成長してきたSSP事業者は各国でローカル市場により特化したサービスを展開しています。これは、日本やアメリカとはまた違った環境のようです。国の違いを超えても多くのパブリッシャーの期待に応えようとするヨーロッパのSSPにこれからも注目していきたいと思います。

 

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参考資料

Admeta

Improve Digital

Jemm Media

この記事を書いた人

fluct magazine 編集部

fluct magazine 編集部

日本No.1 SSP「fluct」の運用で培った業界知識やノウハウを記事にして発信してまいります。

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