【完全版】ノウハウ大公開!ゲームアプリにおけるユーザー獲得→継続率アップ→マネタイズ!ヒットカジュアルゲーム徹底解剖[後編]

ヒットカジュアルゲームを徹底解剖!後編です!
後編は、出稿によるユーザー獲得や、実際に行っているユーザーの継続率向上施策を大公開しちゃいます

前編はこちら↓
キーワードは「ユーザー誘導」市場で勝てるゲーム設計とは?ヒットカジュアルゲーム徹底解剖[前編]

お話を伺ったのは・・・

Cybergate Technology Limited
日本マーケティング担当
下山恵氏

Cybergate Technology Limited
日本マーケティング担当
下山恵氏

インタビュー担当
株式会社fluct アプリソリューション本部
佐藤亜美

インタビュー担当
株式会社fluct アプリソリューション本部
佐藤亜美

ユーザー獲得~出稿~

直近のユーザー獲得のための出稿は、どのような効果がありましたか?

注力タイトルは、直近のプロモーションの効果で、DAUDaily Active Userの略。1日にサービスを利用したユーザー(アクティブユーザー)の数は今年の4月以降右肩あがりです。iOSで、4月から見てDAUが2倍になったタイトルもあります。こちらのタイトルは、翌日の継続率が70~80%で、かなり高めです。

どんなタイトルでもそうですが、出稿するとき一番重要視しているのは、翌日の継続率です。翌日の継続率が良いタイトルは、出稿を強めます。

継続率に応じての出稿時のアクションを教えてください。

前述の注力タイトルはかなり継続率が高いですが、他タイトルだと25~50%くらいが平均です。翌日継続率25%以下だとプロモーション対象から外します

また、継続率が良く収益性が悪いタイトルは、CPECost Per Engagement略。1エンゲージメントあたりの広告コスト。ソーシャルを利用した広告などで使用される指標型で出稿する事が多いです。ユーザーのアクションを見て離脱ポイントの改善を行います。
タイトルの特性に合わせて出稿先を使い分けています。

リリース初日から出稿までのステップを教えてください。

大きく分けて4つのステップがあります。

リリース初日

ここでは売上、広告ARPUAverage Revenue Per Userの略。1ユーザーあたりの平均収益をあらわす指標、LTVLife Time Valueの略。一人のユーザーが、アプリ利用開始から終了までの期間内にどれだけの利益をもたらすかの指標を見ています。
売り上げの中で特に動画視聴回数は気にしてみています。CPMはfluctがなんとかしてくれるのであまり気にしていません(笑)

他指標だと、先程も触れたとおり、翌日継続率を重要視しています。1週間ほど様子を見て、LTVが目標を達成するか、の指標をクリアしたものはstep2でテストマーケで出稿します。

リリース後約一週間

テストマーケを行います。ここで見ている指標はほぼstep1と同じです。この辺りからユーザーレビューも溜まってくるので、そこをベースにアプリそのものに改善を加えることもあります。

リリース後約一週間

テストマーケでうまく行けば、さらに出稿量を増やします

改善フェーズ

ここではLTV(継続率改善、課金広告両方のARPU)を重視して見ていきます。加えて、マネタイズの最適化を本格的に行います。

継続率向上施策~機能追加~

ヒットアプリは、ユーザーの継続率がカギになると思いますが、継続率を上げるために行っている施策を教えてください。

主に新機能追加を行っています。
特に、新機能追加時は毎回緊張しますね。序盤の操作性に影響を与えず、いかに新機能を付け加えられるかが勝負を分けます。

チュートリアルが長引くと継続率に影響ますしね。ユーザーさんは、暇つぶしで我々のタイトルで遊んでくれているので、複雑性はいらないのです。

実際に行った中で上手くいったのはどんな機能追加ですか?

ランキング機能、ログインボーナス、ユーザーへのコミュニケーション機能の3つです。

ランキング機能について、当初継続率がよくなかったアプリに追加したところ、継続率が大きく改善しました。具体的には、+1dayで15%up、+3dayで10%upしました。ユーザーの達成感を味わいたい心理に、うまくアプローチできたと思います。

ログインボーナスは、色々なアプリで実装していますが、やはりそういったスタンダードな機能は入れたほうが良いと思います。

ユーザーへのコミュニケーション機能というのは、カジュゲー内で、ユーザーが同じ操作を繰り返している時、「あなたの今のアクションはいい感じですよ!」と教えてあげるようなUXを指しています。例えば、プレイ中に「売上が◯円突破」とか、「敵を◯人倒した」などの言葉をきちんと表示することで、ユーザーに、ゲームを上手く進めている達成感を感じてもらえます。ハコハコでは画面左上に「ニュース速報!」という項目を出してこれを行っています。

実際のユーザーへのコミュニケーション機能の画面

現在機能追加のためのアップデートを繰り返しているタイトルも、昔はアップデートを行っていなかったことがありました。理由は、2つあります。1つはストアからのユーザーの新規流入減、2つめは開発期間の増加に伴う新規タイトルの量産が困難、という理由です。

ですが1本にきっちり注力しアップデートを行う事で、結果として、良い形になったと思います。より高いゲーム性でユーザーさんに提供でき、かつ、売り上げも安定しています。

アプリマネタイズについて~動画リワード編~

貴社のマネタイズは、動画リワードが中心ですが、どんな事業者をご利用ですか?また事業社ごとの特徴を教えてください。

Google系、Amazon、SSPが主です。
Google系は、Google Ad Exchange(以下AdX)とAdMobどちらも利用経験があります。AdXとはAdMobの広告在庫に加えてPMPPrivate Market Placeの略。限定的な広告の取引市場。Googleが提供しているPMPは、一部の広告主、アプリに取引の参加者を限定している。のブランド予算が配信される、審査制のプロダクトです。

Amazonは、impボリュームは出ないものの、Amazonのセール期間はパフォーマンスが良いのでタイミングに応じて利用しています。

SSPはfluctを中心に利用しています。SSPの最大のメリットは、RTBだと考えています。

RTBのどんなところが良いとお考えですか?

RTBとは、広告取引市場で、広告枠のインプレッション発生ごとに入札を行い、最も高い金額をつけた購入者の広告を表示する方式です。

RTBのメリットは、きちんとリアルタイムでオークションをしているので単価感が高いことです。SSP経由で配信される広告は、RTBが多い印象です。弊社の場合、尖ったタイトルが多いので、特定の広告主からの買い付けが多いみたいです。

fluctSSPの動画リワードを利用してみて、良かったところを教えてください!

他社SSPに比べ、CPMが安定しているところです!収益的にも120~130%ほど改善しています。

AdXと、fluctSSPを合わせた運用で収益改善をして頂いています。

AdXには、CPMいくら以上で広告を出すか、のラインであるフロアプライスという概念があります。収益性は、フロアプライスの設定が、高すぎても低すぎても悪くなります。最も収益最大化できる最適なフロアプライスを設定しなければなりません。fluctはこのフロアプライスを最適ラインで調整し、最も収益性が高くなるラインで運用してくれています。

動画リワードは、枠の設け方も重要ですよね。貴社で枠設計において気をつけているポイントはありますか?

ゲーム設計時に、動画リワード導線も組み込んで考えます。
画面上に動画リワード動線を表示させる際のトリガーが超重要です。トリガーが、とにかく目立つよう、ビックリマークを付けたりボタンを動かすことを意識しています。

トリガーの表示頻度はゲームバランスに大きく関わるため要注意です。

実際のゲーム内のトリガー

動画リワード視聴ユーザーの平均視聴回数はデイリーで平日は数回、休日は平日の倍くらいです 。トリガーを目立たせたおかげで、当初立てていた目標以上に視聴してもらえました。

アプリマネタイズについて~アプリ内課金編~

課金率を上げるために工夫されている部分はありますか?

弊社のタイトルは、カジュアルゲームの中では比較的課金されているほうだと思っています。
課金率を上げるために行っている施策でいうと、3つあります。

一つは、課金アイテム数を増やすことです。
高額になればなるほどおまけが付くようにしています。

二つ目は、ゲームオーバー時に、課金導線のポップアップを出す施策です。ユーザーが最も課金のモチベーションが高いタイミングでポップアップを表示します。「初心者パック」や「タイムセール」等の文言で販売している商品が売れやすいです。

三つ目は、動画広告を見ずにスキップできる機能の販売もよいでしょう。これは”ハコハコ!商店街”で行っています。
ユーザーが動画広告をみなくてもスムーズにプレイできるようにしています。

ユーザーさんへのメッセージ

弊社は、ユーザーサポートを大事にしています。
レビューへの返信、メールへの対応、SNS公式アカウントの運用などを通じて、できる限りユーザーさんとコミュニケーションをとっています。
例:https://twitter.com/hakohako_ja

ユーザーさんからの指摘も、真摯に受け止めています。例えば、ストアレビューの指摘で「アップデートでアプリが落ちる」と頂いた際は、謝罪と解決策を踏まえてご返信しています。
ご返信すると、「返事が来ると思ってませんでした、応援しています!」と言っていただけたりする事も多いです。こういったお声はとても励みになります、ありがとうございます!

ユーザーさんの声はきちんと我々に届いています。ユーザーさん1人の声は、潜在的に100倍くらい同じユーザーさんがいると思いながら対応しています。これからも応援よろしくお願いします!

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