映画業界のトップランナー ユナイテッド・シネマと考える、新たなメディアのあり方とマネタイズについて(前編)

ユナイテッド・シネマとは

シネマコンプレックスであるユナイテッド・シネマやシネプレックスなどを運営するローソングループの映画興行会社です。

全国で43劇場、389スクリーンを抱えており、WEBサイトでもマネタイズに注力しております。

前編ではユナイテッド・シネマの広告運用に加え、サイトのUI改善まで賄う幅広い業務をこなすご担当者様に伺いました!

お話を伺ったのは……

ユナイテッド・シネマ株式会社
マーケティング統括部 副部長
西村大介氏

ユナイテッド・シネマ株式会社
マーケティング統括部 副部長
西村大介氏

株式会社fluct
代表取締役兼
株式会社VOYAGE GROUP
取締役
望月貴晃

株式会社fluct 代表取締役兼
株式会社VOYAGE GROUP 取締役
望月貴晃

ユナイテッド・シネマのデジタル業務について

望月:本日はどうぞよろしくお願いいたします!
まずは自己紹介をお願いいたします。

西村さん:ユナイテッド・シネマ株式会社の西村大介と申します。
前職は映画の配給会社に勤めておりましたが、15年ほど前にユナイテッド・シネマに転職いたしました。
現在はシネマコンプレックスのマーケティング統括部員として、デジタル広告の運用をはじめ、サイトのUI改善や、サイト来訪者のデータを基にしたデマンド営業をしております。

望月:ありがとうございます。もうfluctとは10年ほどの仲ですね!
ユナイテッド・シネマ様とは色々と思い出がありますのでこの機会に振り返っていきましょう!
まず西村さんが行ってきたことなども教えていただけますでしょうか?

西村さん:そうですね!
入社当初、メンバーズカード会員の獲得業務などを行っていたのですが、集めたカード会員のデータを活かす場所として、デジタルの知識が必要だと強く感じ、デジタルマーケティング・データマーケティング業務も所管するようになっていきました。
fluctさんとは本当に長い付き合いで、当時adingo時代にcosmiというDMPを御社が提供していたときも使っていましたね笑
(編集部注:fluctは2013年にプライベートDMP「cosmi Relationship Suite」というサービスを展開したことがありました。)

fluctとは長い付き合いのある西村さん。
映画業界でのプログラマティック広告の活用は最前線をいっています。
fluctとは長い付き合いのある西村さん。
映画業界でのプログラマティック広告の活用は最前線をいっています。

望月:cosmi!懐かしいですね(笑)
今やDMPの重要性が高まっていますが、当時はまだ市場ができていませんでしたね。
fluctはどんな役割でユナイテッド・シネマに貢献できておりましたでしょうか?

西村さん:弊社のアドテク事業において、1番大事な取引先といっても過言ではないです!今はデータを活用したデマンド営業など業務も広がりましたが、これもfluctさんに全面的にサポートいただいた自社のメディア売上があったからこそ着手できた、という背景がありますので。

fluctとの取り組みについて

望月:こちらとしてもお力になれて幸いです!
fluct以外の事業社と取引をするという選択肢もあったかと思いますが、正直なところその辺りはいかがでしょうか……?

西村さん:fluctさんとの取り組みは、常に弊社のアドテク事業の柱となってきました!
それこそWEBのマネタイズを担当した当初はわからないことだらけでした。
CPMって何?というところから入り、ユーザビリティを落とさずに売上を上げる、というミッションの中で、その両立を、一からfluctさんのコンサルの方に学びました。
実際に fluct SSP の配信をした初期から社内を納得させられるほど、売上を作れたことがよかったです。
今の流行から鑑みた自社コンテンツの置き方なども一緒に考えてくれるなど、フルサポート力がfluctさんの良いところなのかと思っています。

望月:fluctとしても「メディアとの共創」をテーマに置いており、いちSSP事業社にとどまらず、もっとマクロの視点で、メディアがグロースしていくためにはどうすれば良いかを考えることにも重きを置いているので、ユナイテッド・シネマ様にもその部分にご満足いただけていることが嬉しいですね。
ここがfluctのルーツであり、強みではないかと私としても感じています。

西村さん:まさにそこは感じますね。
fluctさんは『目先の売上のためだけにサービスを使ってください!』という提案ではなく、例えば弊社が一度、マネタイズの主軸を自社のGoogle AdSenseに切り替えた時もマイナスな発言なしに、メディアのためであればfluctさんのプロダクト以外の使用も惜しまずサポートしてくれる姿勢が、とても印象に残っています。

望月は2020年から代表取締役に就任いたしました。
望月は2020年から代表取締役に就任いたしました。

fluctとのエピソードについて

望月:ありがとうございます!
fluctとユナイテッド・シネマ様と様々な取り組みをしてきましたが、何か印象に残っているエピソードなどありますでしょうか?

西村さん:スマホページの立ち上げ期は、fluctさんのコンサルの方にワイヤーフレームを書くところから手伝ってもらっていましたね(笑)あとは自社でAdX(Ad Exchange)を獲得した当初、収益が一時的に下がってしまった時も、チューニングなどのサポートを細かくfluctさんに行なっていただき、回復したという思い出もありますね。

現在、fluctでは

  • Google Ad Managerの代理運用
  • 自社プロダクトである事業社横断型レポートツール「DATA STRAP」のご提供
  • 接続ネットワークから高単価案件やPMPの獲得
  • タグの精査や管理
  • Google Ad Manager周りの勉強会
  • 広告枠位置の最適化、ご提案
  • ヘッダービディングの導入支援
  • 自社でのインハウス化サポート

など様々なサポートを行わせていただいております。
プログラマティック広告周りをアウトソーシングしたい、自社でインハウス化したいがなかなか進まないなどございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!

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西村さん:最近ですと DATA STRAPは、メディアが求めていた「まさに!」というポイントを抑えたレポートツールですし、
仮想CPMの調整も自動で行えるので、かなり工数の削減ができています。
fluctさんとのコミュニケーションの中で生まれた、次にやるべき仕掛けに時間を割けるというのがとても良いです。

DATA STRAPデモ画面
現在はリニューアルしさらに見やすいUIになりました!(画像のデータはサンプルです)

望月:GCPPという立場でもあるので、Google周りのサポートは今後もぜひお任せいただきたいですね!
今や西村さんはプログラマティック広告領域で長年身を置いているかと思いますがユナイテッド・シネマにアドテクを導入していく中で大変なことはありましたでしょうか?

西村さん:幸いにも私はあまり苦労しなかったです。
というのも会社がアドテク導入に対してとても前向きでした。
利益をどう広げていくか、にあたり、デジタル広告は試算もしやすく、他売り上げとのカニバリも考えにくかったです。
ちなみにアドテク周りで1番初めに話したのがfluctさんで、社内外共に、不自由なく進められたのはとても恵まれていたなと感じています。

望月:そうなのですね!なかなかレガシーな領域だと、いわゆるデジタルトランスフォーメーションが推進しづらい点が目立つイメージですが、御社の柔軟な発想はさすがですね!

西村さん:そうですね!社内外の協力には感謝しています。

アドテク業界の現状について

望月:ありがとうございます!
ここで少し話が変わって大きな視点でお話できればと思います。
現在プログラマティック広告の市場としては、様々な事業社が生まれ、正直なところ、事業社を変えれば大きく収益が上がるというようなパフォーマンスの差がなくなり始めている状況です。
そんな状況の中で、西村さんとしては今後メディアとしてどう動いていくことが良いと考えていらっしゃいますか?

西村さん:おっしゃる通りです。
AdXの導入、ヘッダービディングと新しいプロダクトが次々出ている中でも、いくらチューニングしても収益が倍になるということはないですよね。
これからはメディア側も努力していかなければならないと思っています。

後編では、西村さんが考えるユナイテッド・シネマが行なっている今後のプログラマティック広告の戦略をご紹介します!
データ収集と活用、販売そして広告主さまへの営業ほか、『映画』と『プログラマティック』のシナジーによる展望など!乞うご期待ください!

https://magazine.fluct.jp/2020/07/01/7545

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