ウェビナー開催のお知らせ
2020/11/25(水)17:00〜 ウェビナーを開催いたします。
カジュアルゲームが国内外で多く排出される昨今、 多くの方が収益化や海外展開に対して興味をお持ちだと思います。
今回は『なめこ栽培キット』など多くの人気ゲームを運営される株式会社ビーワークス中島様と、 『ハコハコ商店街』『「魔王「世界の半分あげるって言っちゃった」」』など人気ゲームを運営される、 Cybergate Technology Limited下山様にご登壇いただき、事例やノウハウを語っていただきます。
質問も随時受け付けております!
詳細とお申し込み
詳細とお申し込みはConnpassイベントページにてご確認ください。
https://fluct.connpass.com/event/192600/その他ご質問がございましたらfluct花島(mizuki_hanashima@voyagegroup.com)までにお気軽にご連絡ださい。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
アプリソリューション本部コンサルタントの八木です!
今回は多くのゲームアプリをリリースされている LINE株式会社 LINEゲーム事業本部 GAME事業推進チームの田中章裕さまに動画リワード広告を活用したアプリ内マーケティング施策についてお話を伺いました。
本記事は大変なボリュームとなったため、【前編・中編・後編の3部作】を予定しております!
- 前編:アプリ内課金に影響が少ないリワードの導入ノウハウ
- 中編:ゲームアプリへの動画リワード広告導入による継続率UPと課金転換
- 後編:広告導入後の運用やBid Liftの魅力ついて
今回は前編「アプリ内課金に影響が少ないリワードの導入ノウハウ」をお届けいたします。
お話を伺ったのは……
LINE株式会社
LINEゲーム事業本部 GAME事業推進チーム
田中章裕氏
LINE GAMEとはパズルゲーム『LINEポコポコ』や『LINE バブル2』、クッキングゲーム『LINE シェフ』など、様々なジャンルのタイトルを世界中に展開しているゲームサービスです。可愛いBROWN&FRIENDS とタップのみで遊べるカジュアルゲームやパズルゲームが盛りだくさん!
大人から子供まで楽しめるLINE GAMEは、LINEアプリの「ホーム > GAME」からチェックできます!
動画リワード広告について〜アプリ内課金に影響が少ない広告導入〜
ーーLINE GAME様が動画リワード広告を導入するに至った経緯を教えて下さい
田中さん:LINE GAMEの戦略として「ホワイトスペースを見つける」という方針を立てていました。「新しい市場や分野へチャレンジし、新たな柱を作ろう」という戦略です。
広告マネタイズへの移行もその戦略に合致するため、チャレンジすることにしました。中でも動画はユーザーに広告主の目的や意図や特徴が視覚的に伝わりやすく、ユーザーが求めている商品やサービスならば、他のフォーマットと比べて、よりエンゲージメントを高められると考え、導入に至りました。
ーー動画リワード広告導入済みアプリと、今後導入していくタイトルはありますか?
田中さん:(2020年8月現在)10タイトルに導入済みで、今後2タイトルに導入予定です。
動画リワード広告を導入しているアプリの一例
- LINE バブル2
- LINE シェフ
- LINE ブラウンファーム
- LINE:ディズニー ツムツム
ーー動画リワード広告導入アプリの選定基準 / 優先度に影響する指標はありますか?
田中さん:ビジネスを優先しすぎてゲームを楽しんでいるユーザーが離れてしまうのは問題です。ジャンルや世界観などとマッチするかを最も重要視しています。
ーー導入する上で、開発パートナー様やキャラクターの版権を持つパートナー企業様などのステークホルダーにはどう伝えたのでしょうか?
田中さん:導入するゲームに関係する、すべてのステークホルダーと話しました。必要なタスクやポリシー、承認を洗い出し、実現に向けてクリアにしていきました。また、実装をする前にゲーム開発者向けへのガイドやポリシーをまとめ、レクチャーも行いました。
ーー開発者向けのガイドやポリシー、レクチャーとはどのような内容だったのでしょうか?
田中さん:LINE GAMEでは日本や韓国のゲーム会社と開発しています。いずれもゲーム開発に特化した方々ばかりで、広告に対しては知識が少ないため、最初は「メディエーションとは?」という状態でした。
そのため、LINE GAME側で「広告マネタイズ」や「指標」の理解のためのセミナーを実施し、まず広告の基礎知識をインプットしてもらいました。
動画リワード広告導入時の懸念点とその解決法について
ーー導入にあたっての懸念点と対策を教えてください
田中さん:一番の懸念はアプリ内課金への影響です。課金ユーザーや課金率やARPU(1ユーザーあたりの平均売り上げ)が下がらないかという心配がありました。
対策として、アプリ内課金へ極力の影響が少ないと予想される「動画リワード広告」でチャレンジしようと決断しました。動画視聴後のユーザーへの報酬は「課金して直接得られるアイテムにしない」など、「価値はあるがアプリ内課金へ影響が少ないもの」にし、時間制限を設けたり、無料のガチャ形式にしたりなど仕組みを工夫しました。
他には広告に対するユーザーの不信感、ブランドイメージ低下になるような広告が流れないか?という点です。
急に多くの広告が流れ出すと、これまで楽しんでいたお客様の体験の阻害となり、離脱や不信感につながる恐れがあります。そこでプレースメント(広告枠)やフリークエンシー(1ユーザーに対する広告表示回数)の数を制限し、ユーザー体験に影響が出ないよう広告を配信するようにしました。
競合案件の配信、不適切な案件によるブランドイメージ低下に関しては、AdMobのブロック機能やレビューセンターを使って、競合のリストを作成し、モニタリングチームで不適切な広告は流れないよう対応しています。
ーー「アプリ内課金へ影響が少ない」と予想した際に参考にしたことがありましたら教えてください
田中さん:事前検証はせず、あくまでのゲーム內部分析をもとに意思決定しました。参考にしたのは「課金ユーザーおよび無課金ユーザーの動向」です。
流れとしては、プレースメント(広告枠)を絞ったうえで、全ユーザーに適用し、広告効果がよければプレースメントを増やしていきました。
ーーなぜ全ユーザー適用を優先したのでしょうか?
田中さん:平等性を重視しました。広告視聴でアイテムをもらえるユーザーともらえないユーザーがいるのでは不公平感が生まれてしまうのでは?という思いと、SNSやネット等でそれがシェアされ炎上するのを避けたい意図もありました。
ーー動画リワード導入を決めてからストア公開までどのくらいの期間でしたか?
田中さん:半年から1年くらいです。版元さんとのやり取り・交渉期間には多くの時間を割きました。その他で時間がかかったのは内部開発の「QA(Quality Assurance)」のところで、具体的にはアプリ内できちんと広告が表示されるかの確認です。特にRTBではなかなか imp が確認できず苦労しました。(編集部注釈:RTBは主に端末ごとの広告用識別子(IDFA)を用いたターゲティング配信を行うため、端末や広告案件によって広告が表示されないことがあります。)
まとめ
ありがとうございます!今回の上編ではLINE GAMEの動画リワード広告導入までの道のりをお伺いいたしました。
LINE GAMEの動画リワード広告導入の大きなポイントは以下の3点でした。
- ユーザー体験を損ねないプレースメント(広告枠)やフリークエンシーの設定
- 様々なステークホルダーとの協力や動画リワード導入への理解を深めてもらうこと
- 課金への影響を最小限にするため、動画視聴後のユーザーへの報酬は課金で直接得られないアイテムにすること
ユーザーへのメリットを考えた設計によってユーザー体験の向上と収益化を実現しています。
次回は動画リワード導入後の効果についてお伺いいたします!お楽しみに!
※コロナ対策のため取材は全てオンラインで行いました!
“継続率1.5倍!LINE GAMEの動画リワード x アプリ内マーケティング施策に迫る(前編)〜課金に影響が少ない導入ノウハウ〜” への0件のフィードバック