※本記事は2020年10月6日時点の情報を元に執筆しています。
2020年6月23日に Apple によるWorldwide Developers Conference 2020(以下WWDC20)が開催されました。その中で、2020年秋にリリースされた iOS 14 のプライバシーポリシーについて、大きな変更が発表されました。対象は App Store でリリースされている全てのアプリです。
iOS 14では、IDFAの使用が制限され、ターゲティング型広告(Appleにおける追跡型広告)を含む広告配信が難しくなると予想されます。
2020年7月17日に公開いたしました第一弾「iOS 14、ターゲティング型広告への影響は? 対応方法と今後の広告業界について【WWDC 2020】」が大きな反響を呼びました。そのため、本記事を含む2記事では、iOS14 についてさらに確認できた情報や具体的な施策をご紹介いたします。
- 【iOS14】IDFA取得オプトイン必須化以前・以降での変化と対応
- 【iOS14】ATTダイアログを設置した場合のIDFAの動き(本記事)
IDFAオプトイン必須化以前・以降での変化
2021年初めの「IDFA取得のオプトイン必須化」以前以後での変更点は、下図の未定義(ATTダイアログの選択前)が、2020年中はIDFAアクセス可能で、2021年はじめにIDFAアクセス不可になります。

ATTダイアログの設置をしない場合:
- 2021年初めまではこれまで通りIDFAを取得可能
ATTダイアログの設置をした場合:
- ATTダイアログで同意が取れた場合、IDFA取得可能
- ATTダイアログで同意が取れなかった場合、IDFA取得不可
ATTダイアログを設置し同意が取れなかった場合、収益低下のリスクが考えられます。2021年初めの必須化までは、敢えて対応をしない方が無難といえます。
ATTダイアログを設置した場合のIDFAの動き

ポイントとしては以下の4点あります。
①ATTダイアログではじめからトラッキング要求を拒否→端末のIDFAは変化なし
下記のように、端末のIDFAはリセットされません。
インストール時に表示されたATTダイアログでトラッキング拒否

該当アプリはトラッキングOFFでリストに追加されるが、端末は変化しない

②全アプリが設定でトラッキングOFF→IDFAはリセット
インストール時に表示されたATTダイアログでトラッキング拒否

該当アプリはトラッキングONでリストに追加される

その後、設定画面から全てアプリのトラッキング設定をOFFにすると、端末のトラッキング設定がONでもIDFAはリセットされる

③端末全体でトラッキングOFF→(トラッキングOKのアプリはそのまま)IDFAはリセットされない
端末全体でトラッキング要求を拒否しても、トラッキングOKのアプリがあるのでIDFAはリセットされない

④端末全体でトラッキングOFF→(トラッキングOKのアプリもOFF)IDFAはリセットされる
端末全体でトラッキング要求を拒否し、かつトラッキングOKのアプリも全てOFFにするとIDFAはリセットされる

まとめ
- iOS14とATTは2020年秋に公開済み
- IDFAオプトイン必須化は2021年はじめまで延期された
- 2021年はじめのIDFA取得のオプトイン必須化まではATTを設定しなくともデフォルトでIDFAにアクセスできる
- ATTダイアログを表示できるのは1回きり
- 2021年初めまではATTダイアログを設置し同意が取れなかった場合に、IDFAが取れず広告収益性が低下するリスクがある
- 一度トラッキング要求を許可された全アプリがトラッキングOFFになるとIDFAはリセットされる
fluctとしては上記を踏まえ、2021年はじめの必須化までATTダイアログを実装しないことをおすすめします。
今後もfluctでは iOS 14 について情報発信を行なっていければと考えております。
もしもご不明な点などありましたらお気軽にお問い合わせください。