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ジレンマディフェンスゲーム『テラセネ』生みの親が語るゲーム作りの極意とは?はなしーのGoogle Play Indie Games Festival!【第7弾】

ジレンマディフェンスゲーム『テラセネ』生みの親が語るゲーム作りの極意とは?はなしーのGoogle Play Indie Games Festival!【第7弾】

アプリソリューション本部コンサルタントのはなしーこと花島です!
2019年6月29日に行われた Google Play Indie Games Festival で受賞したゲームディベロッパーをインタビューし、fluct magazine読者のみなさまに人気ゲーム制作のノウハウをお伝えします! 
「Google Play Indie Games Festival」とは世界中にいるインディーゲームディベロッパーのモチベーションと革新性を称賛する、Google Playが主催しているイベントです。コンテストは年に1回ヨーロッパ、日本、韓国で開催され、トップ20に選ばれたゲームディベロッパーは、世界中に自身のゲームを知ってもらうチャンスが得られます。
インディーゲームインタビュー特集、第7弾は Google Play Indie Games Festival トップ20に選ばれた話題のインディーゲーム『テラセネ』です!

『テラセネ』とは

太陽の光が苦手な少女と彼女の夜歩きを見守る太陽の恋焦がしディフェンスゲーム。太陽を回転させて少女に近づく悪魔を焼き焦がして、でも少女が傘を落とした時はタップして逆回転に!シンプルだけど奥の深いゲーム性が病み付きになります。「なぜ少女は夜道を歩くのか?」、「少女はどこへ向かうのか?」ミステリアスなストーリーもゲームを進めていくうちに展開して行きます。その先の結末は……?

独特の世界観や開発者ふりふらさんオリジナルの可愛いイラストも魅力です!

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お話を伺ったのは……

個人ディベロッパー SleepingMuseum ふりふら氏

個人ディベロッパー
SleepingMuseum
ふりふら氏

SleepingMuseum、ふりふらさんについて

花島:まずは自己紹介をお願いします。

ふりふらさん:ふりふらです。現在はゲーム開発のアルバイトとライターをしながら、個人でもゲームを開発しています。それからオリジナルグッズの販売もしています。独立していますが開業登録していないので個人事業主という感じです。

花島:ゲーム開発を始められたきっかけについてにお聞かせさせてください。

ふりふらさん:はい。元々ゲームが好きで、ファミコン〜プレイステーション1くらいからプレイしていました。
学校は情報工学科を出て、その後就職してでシステムエンジニアをしていました。その会社はゲームとは関係ない事業だったのですが、個人的にゲームを考えるのは好きでプログラミングもしていました。たまたま新規事業を始めよう!となったタイミングで社内でもでカジュアルゲームを作り始めたことが、本格的なゲーム開発のスタートでした。
その時のカジュアルゲームは散々な結果だったのですが、その後もゲームを何本かリリースしました。思い出深いのは2014年くらいにリリースしたもので、捨てられた猫のロボットが飼い主の元に戻る放置?アクションゲームを作りました。そのゲームはチーム3人で開発したものの全くヒットせず、あっというまに予算を使い果たしてしまいました。

花島:それはびっくりですね!

ふりふらさん:その後退職して2018年の1月に独立し、今のゲーム開発とライターに至ります。ちなみにその時の上司や会社の同期は今回のIGFにも応援に来てくれました!

花島:開発体制と環境についても教えてください。

ふりふらさん:SleepingMuseumという名前で活動し、1人で開発しています。『テラセネ』では音楽や一部のアートはフリー素材を使っていますが、イラストは自作です。
開発環境ですが、『テラセネ』ではUnity2Dというゲームエンジンに初めて挑戦しました。それまではCocos2d-xというゲームエンジンを利用していました。前職で作った猫ロボットのゲームもCocos2d-xですね。

花島:制作費とその回収はできてますか?

ふりふらさん:期間は3ヶ月くらいで、「制作費」という制作費はないのですが、人件費と時間だけ考えると100万円くらいですかね。基本自宅で作業しています。妻も前職の同僚のエンジニアで、『テラセネ』の開発には参加していませんが、テストプレイやストーリーの相談に乗ってくれました。

ゲームについて解説くださるふりふらさん(の身代わりのくま)
ゲームについて解説くださるふりふらさん(の身代わりのくま)

アプリの誕生秘話を教えてください

ふりふらさん:アイデアを思いついたのは会社をやめて通院していた頃です。その日は真冬にも関わらず太陽がギラギラしていて暑い中、日差しを避けながら歩いていて、その時「太陽の光は暑いから避けたい、でも寒い日にはあったかくて気持ちいい」というジレンマについて考えていた記憶があります。そこが『テラセネ』のベースですね。
その帰りのバスでバーっと描いたイメージをTwitterに投稿しました。画像のように元々は横スクロールアクションのようなものを想定していました。その前の作品までクマを主役にしていたのですが、妻にもクマはサブにしなよと言われ、メインは女の子にしました。

当時描いたスケッチ
当時描いたスケッチ/当時は縦画面で回転制御もボタン式

ふりふらさん:その後、ちょうどUnity1週間ゲームジャム(ゲームクリエイターが集まり短時間でゲームを制作するイベント)があり、その時のお題がでした。横スクロールアクションから変更して太陽を回転させようかな?と思っていたので応募を決意しました!

花島:Unity1週間ゲームジャムと現在の違いはどのようなポイントでしょうか?

ふりふらさん:「回す」を加えて横スクロールではなくなったこともあり、ゲーム画面を縦から横に変更し、ビジュアルも3Dから2Dに変更しました。
ゲーム性として、元々は女の子が傘を落とす条件をランダムにしていましたが、リリース版では敵が接触すると落とすように変更しました。それにより敵を「避ける」だけではなく、敵を太陽の光で「倒す」ことが必要になりました。その変更によりバランス調整が大変でIGFまで調整に苦労しました……。こだわりとしては一面のボスにはクマのキャラクターの「給仕悪魔ベア」をねじ込みました!(笑)
それから女の子と太陽を可愛くしています!これは妻からのアドバイスで経緯はブログでも詳しく紹介しています。

花島:『テラセネ』以外にも様々な作品をリリースされていますが、今まで作られた作品と創作の経緯について教えてください!

ふりふらさん:既存のゲームシステムに少し変わったアイデアやストーリーを加えた作品が多いです。
例えば、バベルの塔をモチーフにした『バベルンルン』というアクションゲーム。知恵を持った人間たちが天界に迫る高い塔を立て始めると、天界に住む全知全能の神がそれに怒り、制裁の雷を落として人間の知恵を奪っていくというゲームです。基本は迫ってくる塔を寸前で壊すというシンプルなゲームですね。

花島:PVを拝見させていただきましたが、イラストも設定もいい意味で「ぶっ飛んで」ます。シンプルで遊びやすいゲームですね!

ふりふらさん:『森でクマさんテラヤバス』というゲームは会社では企画が通らなくて、自分で作りました。他の作品にも出てくるクマと女の子はここから始まっています。
PVはホラーですがゲームは全然ホラーではないです(笑)ダッシュ&ジャンプでクマの繰り出す攻撃を回避する、いわゆる横スクロールの「避けゲー」(自分は攻撃せず敵の攻撃をひたすら避けていくゲーム)ですね。モチーフは童謡の「森のくまさん」です。
可愛いキャラが欲しいなと思いクマを描いて、クマといえば「森のくまさん」を思いついたので、それをモチーフにしました。森なので体力が無くなったらお花で回復したり、どんぐりでコンティニューしたり、可愛らしい要素も入っています。
ストーリーが進むにつれ、難易度が高くなるのですが、練習モードも搭載されているのでクマの攻撃を避ける自主練もできます。

花島:名前のポップさとは裏腹にやり込み性満載の王道アクションゲームですね!

ふりふらさん:『クマvsマ』というゲームも作りました。これは野生のクマが、マから始まる生物たち(まりも、マダニ、マンチカンなど)と激闘を繰り広げるアクションRPGです。 LINEのような画面設計をしていてキャッチコピーは「スタンプで戦うチャット風アクションRPG」なのですが、イメージはカードゲームです。カードをスタンプに見立て、手札(スタンプ)に合わせてこちらも手札を変えて戦うという感じです。
ちなみに音楽は『テラセネ』と同様、僕がファンなので魔王魂さんのものなのですが、『クマvsマ』の時は実際にお話ししてラスボスの曲をオリジナルで作っていただきました!

花島:全作品共通するところですが、操作がわかりやすくて普段あまりゲームをしない私でもすぐに操作を覚えられました!ふりふらさんのゲームは馴染みのある王道ゲームシステムをオリジナルのストーリーとイラストでアレンジし新しい楽しみを与えてくれるように感じました!ゲーム開発というと突飛なアイディアや新しいシステムでないと!というイメージを払拭してくれる個人開発ならではの素敵な作品たちだと思います。

Indie Games Festival 2019 JAPANについて

花島:IGF(Indie Games Festival)参加の経緯について教えてください

ふりふらさん:Twitterか何かで存在を知ったのは2018年でした。申し込みたかったのですが『テラセネ』がまだ完成していなかったので、その時は見送りました。そして完成後の今回(2019年開催)、あらためて申し込みました。

花島:今回トップ20に選ばれてから約一ヶ月どのような準備をされましたか?

ふりふらさん:プレゼン資料は作りましたが、トップ10に入らないと発表できないのでモチベーションがなかなか上がらず……。試遊用の端末が最新のものだったのでそれには対応し、申し込み前に課金を加えました。

IGF当日のお写真。大人気だったそうです!
IGF当日のお写真。大人気だったそうです!

花島:他の作品についてやイベントで印象的だったものはなんでしょうか?

ふりふらさん:プレゼンが見られたトップ10の中でも『Infection – 感染』は面白かったです。ゲームロジックが集団心理を使っているというのも興味深かったです。

Infection - 感染
Infection – 感染 -(iOS/Android

ふりふらさん:今回はくまの作品多かったですね。中でも『クマムシさん惑星』は世界観が素敵でした。BitSummitの際には遊ばせていただきました。

(※編集注:『クマムシさん惑星』はfluct magazineでも取材させていただきました。気になる方はcheckしてみてください!)

クマムシさん惑星 宇宙最強ゆるキャラ伝説
クマムシさん惑星 宇宙最強ゆるキャラ伝説(iOS/Android

ふりふらさん:『キグルミキノコ Q-bit -第一章-』はファンの方がたくさん応援にいらしていて羨ましかったです。その日は試遊はできなかったのですが、その他のゲームも1ヶ月の間で全部DL(ダウンロード)して遊ばせていただきました。

グルミキノコ Q-bit -第一章-
グルミキノコ Q-bit -第一章-(Android

ふりふらさん:『ReversEstory』はアクションゲームが好きなので個人的にゲーム性がドンピシャで好きでした。

ReversEstory
ReversEstory(iOS/Android

花島:受賞の景品はたくさんありますが、何か狙っていたものはありましたか?

ふりふらさん:どれかに入れたら御の字という感じでした。ゴジラ賞はあったら嬉しいなとは思いました。

花島:IGFの結果についてどう思われていますか?

ふりふらさん:トップ3に入ったものは本当に魅力がありました。ゲームを見てるだけで技術力の高さがわかりました。特に『MeltLand』は技術がすごいと思いました。欲を言うなら『テラセネ』は会場でうちわをあげてもらうのが一番多かったので「観客賞」も欲しいなぁと。
(※編集注:『MeltLand』はfluctmagazineでも取材させていただきました。ぜひcheckしてみてください!)

MeltLand - メルトランド -
MeltLand(iOS/Android

花島:数多いゲームアプリがある中、テラセネの強みは何でしょうか?

ふりふらさん:クマが可愛いのとゲームっぽいゲームであるところでしょうか。王道ものはモチベーションでも技術でも敵わないなぁと思っているので、ギミックで意表をつく作品を作りたいと思い開発しました。あとはクマが可愛いと思っているので。あまり受けが良くないのは時代が追いついていないのでしょうかね?(笑)

花島:今後インディーゲーム制作をはじめる方・IGFに参加される方へのアドバイスなどございますでしょうか?

ふりふらさん:自分の作品はクオリティは低いのですが、今はツールや参考にできるライブラリもあるのである程度クオリティの高いものは作れます。ですが、あえてクオリティは高めないことも重要だと思っています。
自分は全般戦えないので、「諦めるところは諦める」ことを意識しています。いわゆるエターナル(永遠にリリースできない状態)になるくらいなら諦めも大切かと思います。

ふりふらさん:『テラセネ』では、開発段階では敵キャラはアニメーションにしたりいろんなバージョンを作りましたが、最終的に本番ではビジネスだとそこもこだわって動かしたりすることもあるかと思いますが、敢えてロークオリティにするメリットもある思うので、もう作れないなら諦める。
自分も次回作は問題が山積みでエターナルになりかけてしまっていますが……。
無理にハイクオリティにしなくても面白いでものはできると思っています。

花島:ふりふらさんはどのようにゲーム開発を進められているのでしょうか?

ふりふらさん:ゲーム制作の順序としては、まずアイディアを紙に書いて、その後プロトタイプを作ります。今までの開発期間はおおよそ一週間くらい、作業時間としては15時間くらいでしょうか。そのくらいでゲームの骨格になるギミックだけ入れた物を形にします。できたものが面白そうだったら本格的な開発を進めて行きます。「もう少し」というときは紙に書いたり、頭の中だったり、Unity上で付け足していったり、とにかく早く動かしてみることを心がけていますね。世界観とゲームシステムが噛み合うように作ればストーリーも自然と伝わると思っています。

紙に書く→プロトタイプ作成(15時間/1week)
面白そう!→本格的な開発へ(数週間〜数ヶ月)
イマイチ?→紙に書く・Unity上で機能を付け足したり…⤴︎

最近は安定せずプロトタイプでも3ヶ月、新作の『まつろぱれっと』では本格的な開発に1年半くらい苦戦しました。

花島:世界観とゲームシステムはまさに『テラセネ』の照らしたい、でも照らせない!のジレンマに表現されていますね!
マネタイズやプロモーションについてはいかがでしょうか?

ふりふらさん:プロモーションなどは打たずに自然流入のみです。
収益化では2019年はじめに女の子の体力を増やす課金を入れました。現状のLTVは10円くらいでしょうか。ちなみに去年は3円くらいでした。ステージクリア、コンテニューの際に視聴可能です。DAUは100人くらいですね。

▼課金
傘(女の子の体力増加)¥370・¥490
オーブ(太陽の武器解放や図鑑の解放)@100/¥120・@300/¥250

▼LTV
10円

▼広告
ステージクリア、コンテニューの際に視聴可能

DAU
100人くらい

▼マネタイズ割合
課金9:グッズ1

マネタイズについては収益割合としては課金7:グッズ2くらいです。グッズはオリジナルグッズの発注・販売ができるGMOペパボのオンラインショップSUZURIで販売しています。あとLINEスタンプも作っています。LINEスタンプは申請の際に解像度が高い画像が必要だったのですが、解像度が高い画像がなくて書き直さなくてはならないので大変でした。

当日お持ちいただいたグッズ、くまが可愛くてほっこりします
当日お持ちいただいたグッズ、くまが可愛くてほっこりします
SleepingMuseumのSUZURIページ

花島:オリジナルのキャラクターがいるといろんな展開ができて楽しいですね!インディーゲームでも手軽にグッズが作れファンとの接点を増やせ収益化も行えるので今後広まって欲しいですね!

今後の展望・最後に

花島:今後の展望についてお願いします

ふりふらさん:今は次回作の『まつろぱれっと』を開発中です。次回作は絵画の中の女の子の希望通りに適切に絵を描かないと殺されるという呪いの7日間を過ごすゲームです。
例えば女の子が「リンゴを描いて」と言った場合はどんな色のりんごか絵のどこに描くのかを謎解きで考えていきます。結構理不尽に殺されたりするのですが、女の子の機嫌を取りつつ何度もトライして正解を導き出していきます。ゴールはそこから脱出することなのですが、ストーリーを進めるとなぜこの絵が呪われてしまったのかがわかってきます。
テラセネまでアクションよりだったので、この作品はノベルや脱出ゲームのような形にしました。
(fluct magazine編集:『まつろぱれっと」は取材後リリースされました!)

まつろぱれっと
『まつろぱれっと』(iOS/Android

花島:最後に一言お願いします

ふりふらさん:傘(課金アイテム)買ってください!(笑)
新作の『まつろぱれっと』もよろしくお願いしますクマ。

ふりふらさんありがとうございます!
個人で素敵な作品を開発されているふりふらさん。『テラセネ』も新作の『まつろぱれっと』も遊ばせていただきましたが、やり込み度満載ではまってしまうこと間違いなし!のゲームです。ぜひ皆様も遊んでみてください!

4月に行われる予定でした「Google Play | Indie Games Festival 2020」ファイナルイベントは残念ながら延期されてしまいましたが、fluct magazineでは、IGF2019のトップ20に選出されたアプリディベロッパー様のインタビューさせていただき記事を多数リリースさせていただいております。

IGFに出場したい!ご興味がある!という方はぜひご一読ください!

トップ3受賞

集英社 キャラクタービジネス室賞

以下リリース順

この記事を書いた人

花島 瑞希

花島 瑞希

fluctアプリソリューション本部コンサルタント。webメディアのリクルーティングチームで2年勤めアプリチームへ異動。webでもアプリでもマネタイズにお困りの際はお気軽にご相談ください!趣味は脱出ゲーム。お問い合わせはこちらまで → mizuki_hanashima@voyagegroup.com